浦和、急造の“ダイヤモンド布陣”は機能せず 守備立て直しに必要な処方箋とは

ボールの奪いどころが定まらず

ボールの奪いどころが定まらず

大敗を喫した浦和の選手たち photo/Getty Images

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5日に明治安田生命J1リーグ第13節の延期分が行われ、浦和レッズが川崎フロンターレに1-4で敗れた。

80分に退場処分を受けた同クラブDF遠藤航はJリーグ公式ホームページのコメントで、同試合の敗因について分析している。

「ダイヤモンド型の中盤で試合に臨みましたが、(柏木)陽介さんの両脇のスペース、つまり相手の2ボランチやトップ下を誰が見るのかという問題が大前提としてありました。(浦和から見て)右サイドは登里選手がワイドに張っていて、相手のサイドバックが上がって来た時に阿部(浩之)選手がサイドバックの近くまで下りてくるケースも見受けられました。(駒井)善成とモリくん(森脇)がサイドにつくと、中盤に下りてきた前線の選手に対して阿部(勇樹)さんが間に合わないという状況が起きていましたね。逆に阿部さんが右サイドのスペースを消そうとすると、(中村)憲剛さんが中央に陣取っている。自分も前に行こうという意識を持ってプレイしていましたが、常に数的不利になっていましたし、前から行ったところで奪いきれないという難しさは抱えていました」(同選手のコメントより抜粋)

川崎の[4-2-3-1]の布陣に対し、中盤をダイヤモンド型にした[4-4-2]の布陣で対抗したミハイロ・ペトロヴィッチ監督。しかし、同布陣の泣き所であるトップ下の柏木陽介やアンカーの阿部勇樹の両脇のスペースを消すことができず、自陣バイタルエリアで川崎の華麗なワンタッチパスを浴び続けることになった。

また、川崎の猛攻に晒されて中盤の駒井善成と関根貴大が自陣に釘付けになったことにより、最前線、中盤、最終ラインの3ラインが間延び。前線からのプレスが頓挫する原因となったほか、最前線のラファエル・シルバと興梠慎三も孤立し、攻撃力の低下を招いてしまった。敵陣深くでボールを奪うというコンセプトでありながら、自陣深くに人を多く配置する布陣を敷いてしまったことが、今回の大敗につながったと言えるだろう。

同リーグ17試合消化時点で首位との勝ち点差が10と、苦境に立たされた浦和。逆転優勝にむけての道のりは険しいが、ボールの奪いどころをはじめとする原則を再確認し、浮上のきっかけを掴みたいところだ。場合によっては[4-2-3-1]や[4-1-4-1]など、より前線からのプレッシングに適した布陣にトライする必要があるかもしれない。

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