9日(土)に埼玉スタジアムで開催されたJ1第25節の浦和×柏は1-2という結果に終わった。堀孝史監督のもと変革中の浦和はこの一戦に青木拓矢をアンカーとする[4-1-4-1]で臨み、試合には敗れたものの「狙いは進められましたが、残念な結果になりました。ポジティブな部分もあったので、また次へ向けて戦う準備をしていきます。前半はリズムがあり、攻守ともにできていました」(堀監督)という一定の感触を得るに至っている。
試合後の選手たちも同様で、「状況に応じていろいろな対応ができるようにしたいという狙いがありました。オプションのひとつとして、あってもいいと思います」と語ったのは槙野智章であり、「前半はみんなでコンパクトにやれていて、チャンスもありました。後半はスペースができてきて相手のカウンターが増えましたが、うまく守れていたシーンもありました。2本のピンチがそのまま失点になってしまいましたが、相手によって使い分けるわけではないですが、やっていけたらいいなと思います」と語ったのは主将の阿部勇樹である。[4-1-4-1]のデキに関しては、指揮官、選手ともに手応えを得ている。
ただ、試合には1-2で敗れている。2失点について「カウンターと自分のミスからシンプルな1対1でやられてしまいました」と語ったのは遠藤航で、無失点で抑えられなかった責任を受け止め、試合後に強く反省していた。
「いい内容のときこそ後ろがしっかりガマンしないといけないです。とくに、自分のポジションはしっかり守れないとそのまま失点につながります。もちろん、理解しているなかでプレイしていますが、今日またやられたことで反省しています」
「ああいう状況(失点シーン)は試合中に何度か必ずあります。あそこでやられたら失点になるので、しっかりやらないといけないです。すべてできていなかったわけではありませんが、後ろは90分間をパーフェクトでいかないと失点になるので、自分自身がそこは厳しく追求しています。とにかくやり続けて、無失点で抑えることを常に意識しています」
ただ、試合状況に応じて選手にはさまざまな判断が必要で、DFは無失点で試合を終えることだけを考えればいいかといえば、決してそんなことはない。たとえば、この日の86分に浦和が喫した2失点目のシーンについて──。柏の大谷秀和が中盤から浮き球の縦パスを浦和最終ラインの裏へ出す。走り込んだのは遠藤と柏のハモン・ロペスで、競り合いを制したハモン・ロペスが縦に抜け出してゴールラインのギリギリから折り返し、武富孝介が押し込んで試合を決める2点目となった。
遠藤は後方からアタックにきたハモン・ロペスに競り負けるカタチになったが、当たり前だがなんの考えもなしにあの一瞬をプレイしたわけではない。複数の選択肢があるなか、試合展開、状況を考えたすえの判断であり、プレイだったことを試合後に語っている。