[天皇杯]セレッソ2冠達成! 延長の末に“勝ち切った”逆転劇

値千金の同点弾を決め、祝福される山村 photo/Getty Images

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先制される苦しい展開に

2018年元日。天皇杯決勝は今季2冠を狙うセレッソ大阪と、2013年以来の優勝を果たしたい横浜F・マリノスの激突となった。

立ち上がりに右サイドからのクロスに伊藤が飛び込み、チャンスを作った横浜。しかしセレッソも複数の選手が連動するパスワークで対抗し、6分には清武のボレーシュートにつなげる。地面を叩いたボールはゴールへ向かうが、GK飯倉が反応しボールを掻き出す。

しかしゲームが動いたのは間もなくだった。8分、左サイド下平からのクロスに抜け目なく飛び出した伊藤が、ワントラップして右足でゴール隅へ流し込み、横浜が先制に成功する。
早い段階で先制されるという、ルヴァン杯とは真逆の展開になったC大阪。攻撃では短いパスワーク、守備では前線からのプレスとお得意のプレイを仕掛けるが、巧みに最終ラインの裏を突いてくる横浜のカウンター戦術の前にペースを握れず苦しむ時間が続く。

29分には、松田陸がパク・ジョンスからボールを奪いゴール前へ持ち出すが、ラストパスはかみ合わず。しかしペースを握った横浜にも前半終了間際、山中がふくらはぎを押さえてピッチに座り込むアクシデントが。そのまま遠藤渓太と交代となって、最高の前半で折り返すことはできなかった。

後半も横浜の守備を掻い潜れないC大阪。ソウザも高い位置を取るなど前がかりにリスクをかけていくが、ボールを奪われてマルティノスや遠藤に繋がれるという展開が続き、攻め手が見出せない。しかし65分、水沼のミドルシュートから突破口が生まれる。GK飯倉はこれを弾くが、クリアしようとしたこぼれ球が山村の足元に。これを山村が冷静に沈め、スコアをタイに戻す。

横浜はウーゴ・ヴィエイラ、C大阪はリカルド・サントスとストライカーを入れ替え、終盤は一進一退の攻防に。しかし90分では決着がつかず、ゲームは延長戦にもつれ込んだ。

延長戦に入ると、積極的にボールを動かしていたC大阪に待望の追加点。95分、クロスがファーサイドに入ると、GKが前に出ているのを見ていた水沼が頭で巧みに流し込んだ。延長戦でリードを手にしたC大阪は、山村を最終ラインに下げて守りを固める作戦に出る。

横浜は延長後半から天野を下げ、前田直輝を投入。しかし、引いてスペースを埋めるC大阪守備陣の穴を見いだすのは容易ではない。ウーゴ・ヴィエイラに何度かチャンスが訪れるものの決め切ることができず、GK飯倉までがゴール前に上がったCKもゴールに繋げられない。ほどなくして埼玉スタジアムに終了の笛が鳴り響き、C大阪がヤンマー時代を含めて4度目の天皇杯優勝を飾った。


[メンバー]
セレッソ大阪:キム・ジンヒョン、松田陸、丸橋祐介(→田中裕介 77)、木本恭生、マテイ・ヨニッチ、ソウザ(→秋山大地 119)、山口蛍、水沼宏太、清武弘嗣、山村和也、柿谷曜一朗(→リカルド・サントス 79)

横浜F・マリノス:飯倉大樹、松原健、中澤佑二、パク・ジョンス、下平匠、山中亮輔(→遠藤渓太 45)、中町公祐、天野純(→前田直輝 106)、マルティノス、ダビド・バブンスキー(→ウーゴ・ヴィエイラ 70)、伊藤翔

[スコア]
C大阪 2-1 横浜FM


[得点者]
C大阪:山村和也(65)、水沼宏太(95)

横浜FM:伊藤翔(8)

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