エトーとイブラヒモビッチ、デコとクアレスマ サッカー界で起こった印象的な”トレード”を振り返り

インテルで活躍したエトー photo/Getty Images

今冬にはA・サンチェスとムヒタリアンのトレード実現の可能性

アーセナルからの退団が近づいているとされるFWアレクシス・サンチェスは、MFヘンリク・ムヒタリアンとトレードの形でマンチェスター・ユナイテッドに加入する可能性が高まっている。ムヒタリアンはマンUで出番を失っており、ジョゼ・モウリーニョのスタイルにフィットしていないのは明らかだ。互いにトップレベルのアタッカーなのは間違いないため、このトレードはそれほど悪い話でもないだろう。

しかし、過去にはビッグネーム同士のトレードで一方のチームが大損となってしまったケースもある。まさかトレードに出した選手がこれほど活躍するとはと驚くケースだってある。そこで英『FourFourTwo』は過去の印象的な大型トレードを振り返り、成功か失敗かを評価している。

まず近年で最も衝撃的だったトレードといえば、2009年のバルセロナFWサミュエル・エトーとインテルFWズラタン・イブラヒモビッチのトレードではないだろうか。バルセロナはエトーの譲渡に加えて移籍金を支払う形で念願の大型FWイブラヒモビッチを獲得したが、当時指揮を執っていたジョゼップ・グアルディオラとは全く噛み合わず。一方でエトーはインテルで重要な存在となり、チャンピオンズリーグを含む3冠を達成している。これほど極端な結果になったケースも珍しいだろう。

逆にインテルが後悔したケースでは、2002年のインテルMFクラレンス・セードルフとミランDFフランチェスコ・ココのトレードだ。ココはインテルでも怪我続きだったのに対し、セードルフはミランでチャンピオンズリーグを2度制覇するなどレジェンド的存在となった。因縁のチーム同士の間で起こったトレードで成功を掴んだのは明らかにミランだ。

2006年のアーセナルDFアシュリー・コールとチェルシーDFウィリアム・ギャラスのトレードも印象的だ。チェルシーはギャラスと500万ポンドの金銭でアシュリー・コール獲得に動き、当時世界最高のレフトバックの1人と言われていた選手を引き抜いた。アシュリー・コールも期待に応えて2014年まで在籍し、アーセナルでは味わえなかったリーグ制覇やチャンピオンズリーグ制覇を達成した。

互いに良い取引となったケースでは、ポルトMFデコとバルセロナFWリカルド・クアレスマのトレードか。クアレスマは若くから才能を評価されてバルセロナに引き抜かれたが、ポルトガルが産んだ技巧派サイドアタッカーはバルセロナに馴染めなかった。そしてデコと入れ替わる形で母国ポルトガルに戻った。そこで再び評価を高め、4年後にはインテル移籍に挑戦している。デコもバルセロナでは魔術師として活躍し、チャンピオンズリーグ制覇も経験。互いが成功を収めたという意味では見事な取引の1つと言えるだろう。

仮にこのままサンチェスとムヒタリアンのトレードが実現するならば、笑うのはどちらなのか。より大きな期待を背負うのはサンチェスの方だが、ムヒタリアンが大ブレイクとなる可能性もあるだろう。

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