「ドルトムントは長期的なプラン無くなった」 どんどん広がる王者バイエルンとの実力差

開くドルトムントとバイエルンの差 photo/Getty Images

今冬も主力が流出

バイエルンとドルトムントは近年ブンデスリーガのタイトルを争ってきたライバル関係にあったが、今ではライバルと呼ぶことすら難しくなりつつある。両チームの大きな違いは近年の補強にあり、今冬の市場でもバイエルンとは大きな差がついてしまった。

バイエルンがロベルト・レヴァンドフスキのバックアッパーにドイツ代表のサンドロ・ヴァーグナーを加えたのに対し、ドルトムントはエースのピエール・エメリク・オバメヤンを失った。オバメヤンの素行に疑問があったとはいえ、レヴァンドフスキと得点王争いができるタレントをあっさり手放してしまったのは痛い。ミッチー・バチュアイを加えたが、攻撃力ダウンは避けられない。

さらにバイエルンは来季のことも見据え、すでにシャルケからMFレオン・ゴレツカを獲得することで合意している。今冬の動きは派手ではなかったものの、着実に戦力アップしている。ドルトムントもバーゼルからDFマヌエル・アカンジを獲得したが、オバメヤン退団は決して戦力アップには繋がっていない。

米『ESPN』は今冬のドルトムントを敗者と認定しており、補強に失敗したとの見方を示している。昨夏にも目を向ければドルトムントはFWウスマン・デンベレも引き抜かれている。攻撃の核となる選手たちが立て続けに引き抜かれていることは大きな問題で、2016年夏にもDFマッツ・フンメルス、MFヘンリク・ムヒタリアン、イルカイ・ギュンドアンと主力が引き抜かれている。

しかも今季途中には指揮官がピーター・ボスからペーター・シュテーガーに代わり、そのシュテーガーもチームを上位に導くほどの手腕を持った人物なのかは疑わしい。同メディアは今のドルトムントには長期的なプランが無くなったと指摘しており、ユルゲン・クロップの下で未来あるフットボールをしていた時代とは異なる。

今冬もバイエルンと補強の面で差がついたことを考えると、ドルトムントをライバルと主張するのは難しいだろう。レヴァークーゼンやシャルケも今季は善戦しているが、ますますバイエルンの1強が際立つ冬の市場となった。

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