“ピッチ上の監督”・長谷部だけは外せない フランクフルト快進撃の理由は中堅クラブに似合わぬ層の厚さ

マインツを粉砕したフランクフルト photo/Getty Images

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コバチは全選手を構想に

今季欧州カップ戦出場権を獲得できる位置まで順位を上げてきているフランクフルトは、決してタレント集団というわけではない。各国の代表選手が集結しているわけでもなく、選手層はあくまで中堅クラブだ。しかし、今のフランクフルトは層が厚いチームに感じさせられる。それは指揮官ニコ・コバチの巧みなマネージメントがあるからだ。

独『SGE4EVER』はコバチの下では全ての選手が構想に入っていることを伝えているが、直近2試合を見てもその特長がはっきりと出ている。

前節はドルトムントに打ち合いの末2-3で敗れたが、今節はスタメンに手を加えてマインツを3‐0で粉砕している。ドルトムント戦からはセンターバックのマルコ・ルスを下げてシモン・ファレットを起用し、日本代表MF長谷部誠を3バックの中央に移した。さらに左のウイングバックはティモシー・チャンドラーからイェトロ・ウィレムスに、アンカーにはジョナサン・デ・ガズマンを先発起用し、チーム得点王のセバスティアン・ハラーを下げてルカ・ヨビッチとアンテ・レビッチに2トップを組ませている。
特に左ウイングバックはチャンドラーが常にファーストチョイスだったため、ウィレムスの先発起用は驚きでもあった。それでも3‐0で勝利を収めて連敗を避けるのだから、今のフランクフルトは本当に層が厚い。選手1人1人の能力はドルトムントやライプツィヒに劣るかもしれないが、全員がコバチのフットボールをよく理解している。

その中で絶対に外せない選手の1人が長谷部で、対戦相手や起用するメンバーに合わせてボランチとリベロの両方を任せられる長谷部は年明け以降リーグ戦全試合にフル出場している。長谷部がいるからこそ、最終ラインと中盤で思い切った選手起用が可能になってくるのだろう。

チームに哲学を植え付けたコバチ、ピッチ上の指揮官として戦術を深く理解し、チームメイトをまとめる長谷部のタッグは欧州カップ戦出場権獲得へ確実に近づいている。

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