近年は移籍市場で高額なお金が動くようになっているが、お金をかけたのに大失敗なんてことはサッカー界でのあるある話だ。シーズン終盤の恒例行事とも言えるが、英『FourFourTwo』は今季プレミアリーグで期待を裏切った新加入選手でワーストイレブンを作成。昨夏、あるいは今冬に加入して期待外れに終わった11人をまとめている。
GK:ジョー・ハート(ウェストハム)
近年イングランド代表の守護神の座を守り続けてきたハートだが、ウェストハムで評価は確実に落ちた。今ではロシアワールドカップでの先発の座は危ういと言われており、ウェストハム加入後の14試合で33失点はさすがにまずかった。
サイドバック:パブロ・サバレタ、パトリス・エヴラ(ウェストハム)
これはウェストハムを集中攻撃する企画ではないが、このチームは降格が決まったストーク・シティと同じ67失点を喫しているのだ。守備陣が批判されるのは仕方がない。サバレタについてはプレミアリーグの展開に対応できるだけのスピードを失ったと同メディアは評価しており、昨夏マンチェスター・シティが放出した判断は正しかったのだろう。エヴラは40歳まで現役を続ける考えのようだが、同メディアはウェストハムのサポーターが別のクラブでそれをやってくれと願っていると伝えている。
センターバック:ヤイロ・リーデヴァルト(クリスタル・パレス)、マイケル・キーン(エヴァートン)
記憶している者は少ないかもしれないが、リーデヴァルトは昨季ヨーロッパリーグ決勝にアヤックスの一員として先発出場していた選手だ。その試合には現在トッテナムで活躍するDFダビンソン・サンチェスも出場しており、昨夏に2人揃ってプレミアリーグにやってきた。しかしサンチェスとは大きな差をつけられており、ここまで先発出場はたったの4試合だ。
キーンはイングランド代表にも選ばれていた期待の若手DFで、昨夏バーンリーから2500万ポンドもの移籍金で加入している。しかし期待には応えられず、イングランド代表でも古巣バーンリーからジェイムズ・ターコウスキーがポジションを奪う勢いだ。
MF:レナト・サンチェス(スウォンジー)、ティエムエ・バカヨコ(チェルシー)、デイヴィ・クラーセン(エヴァートン)
EURO2016で最優秀若手選手に輝いたサンチェスがここまで苦戦すると予想した人は多くなかったかもしれない。バイエルンで出場機会を得ることができず、レンタル先のスウォンジーでも大苦戦。今や忘れられつつある。
バカヨコも成功したとは言えないだろう。獲得された時はエンゴロ・カンテとともに鉄壁の守備を形成してくれるはずと期待されたが、足下の技術に大きな課題があった。移籍金額を考えると成功とは言えないはずだ。
クラーセンはキーンと同じく、昨夏積極的な補強に出たエヴァートンが2360万ポンドでアヤックスから引き抜いた選手だ。しかし中盤での即戦力とはならず、前指揮官ロナルド・クーマンも失望感を露にしていた。今季のリーグ戦出場試合数は6となっており、まさに大失敗だ。
FW:ギド・カリージョ(サウサンプトン)、アルバロ・モラタ(チェルシー)、ケレチ・イヘアナチョ(レスター・シティ)
カリージョは得点力不足に悩むサウサンプトンを救うため、今冬にクラブ最高額の1900万ポンドの移籍金でモナコからやってきた選手だ。ところが、カリージョは7試合に出場して無得点。指揮官がマーク・ヒューズに代わってからは完全に出番を失っている。
モラタはジエゴ・コスタの穴を埋めることが期待されたが、それは失敗に終わった。同メディアは11得点決めているモラタをワーストイレブンに選ぶのは厳しいかもしれないが、6000万ポンドとも言われる移籍金額を考えれば仕方のない判断と主張している。
イヘアナチョはジェイミー・バーディの新たな相棒候補として獲得されたが、これまでレスターが獲得してきたFW陣と結果は同じだ。岡崎慎司とバーディのコンビを超えることはできず、期待外れに終わってしまう。イヘアナチョはまだ将来性のある選手だが、ひとまず今季は期待していたほどの活躍はできていない。
さすがに下位クラブの選手が多く入る結果となった。例外はチェルシーの2人だが、それだけチェルシーの補強プランが上手くいかなかったということだろう。ベテランばかりを獲ったウェストハムも、補強プランを見直していく必要がありそうだ。