久保建英、中村敬斗、菅原由勢で終わりじゃない! Jの舞台で暴れる期待の東京五輪世代に注目せよ

奮闘する中村敬斗 photo/Getty Images

10代の選手たちも続々出場機会確保

FC東京MF久保建英(16)、ガンバ大阪FW中村敬斗(17)、MF福田湧矢(18)、名古屋グランパスDF菅原由勢(17)。彼らは今年のJリーグ開幕戦から出場機会を与えられ、大きな話題となった若手選手たちだ。久保は以前から注目された存在だったが、高卒ルーキーながら開幕戦の先発に抜擢されたガンバ大阪の福田、U-17ワールドカップで結果を出した高校2年の中村、同い年の名古屋DF菅原と、10代の選手たちが複数人も開幕戦から出場機会を掴んだことに驚いたファンも多いだろう。特にガンバと名古屋は開幕戦で激突しており、中村と菅原の17歳コンビがピッチでハイタッチを交わす特別なシーンもあった。2020年の東京五輪も近づき、今年のJリーグは一味違うスタートになったと言える。

ただし、彼らの話題は減少傾向にある。久保はJ3で経験を積む形を取っており、J1では出場機会が無くなっている。ガンバの福田も開幕戦以降は出場機会が徐々に減少し、中村も途中出場から長くて30分ほどプレイするくらいだ。菅原は開幕戦以降も先発の座を守ってきたが、やはりまだ最終ラインを任せるには不安な部分も多く、ここ2試合はスタメンから外れている。

序盤戦だけで若手ブームが終わってしまうのかとも思われたが、その心配はない。彼らの出場機会が減少傾向にある中、他クラブでは10代プレイヤーが出場機会を増やし始めているのだ。例えば若手を積極起用しているヴィッセル神戸では高卒ルーキーの18歳MF郷家友太が第4節セレッソ大阪戦でJリーグデビュー。ユースから昇格したFW佐々木大樹(18)は第7節の浦和レッズ戦でJリーグデビューし、ゴールまで決めている。また神戸は19歳のMF安井拓也を継続的にベンチ入りさせたり、17歳のDF小林友希もデビューさせるなどフレッシュな選手たちが目立つ。

さらにサイドバック、ウイングバックの位置ではコンサドーレ札幌の菅大輝(19)がここまで14試合に出場し、慣れないながらも左のウイングバックを上手くこなしている。浦和では18歳の橋岡大樹が第7節の神戸戦以降出場機会を増やしており、清水エスパルス戦でアシストを記録するなど右サイドから積極的に仕掛けている。出場機会が安定して増えているわけではないが、横浜F・マリノスでは18歳の山田康太も右のサイドバックとして第11節の鹿島アントラーズ戦でJリーグデビュー。続く12節ジュビロ磐田戦にも出場し、その後もベンチには入っている。

ポジション争いが激しいため先発出場と途中出場を繰り返しているが、サガン鳥栖のFW田川亨介も開幕戦から継続的に出場機会を確保しており、清水では189cmと長身の19歳DF立田悠悟が開幕戦から9試合続けて先発出場している。サイドバックでの出場が多いことがやや残念だが、189cmの長身は非常に魅力的だ。センターバックで継続的にプレイできると面白い。ガンバ大阪では福田の出場機会が減ったが、19歳MF食野亮太郎が第6節神戸戦から出場機会を得ている。チームとして結果は出ていないが、10代の選手たちを積極的に起用しているのは興味深い試みだ。

彼らは東京五輪を狙える世代にあり、1997年以降に生まれた選手たちに出場資格がある。2001年生まれの久保建英はもちろん、2000年や1999年生まれの選手たちがメンバー争いに絡んでくると面白い。この世代にはオランダのフローニンヘンで大ブレイクする19歳MF堂安律、ハンブルガーSVでサポーターを興奮させた20歳の快速ドリブラー・伊藤達哉、なかなか出場機会を確保できず出遅れてしまったが、今冬にアビスパ福岡からベルギーのシント・トロイデンに移籍した19歳DF冨安健洋ら海外組もいる。

昨年のU-20ワールドカップに出場した主要メンバーを含め、興味深い人材が揃いつつある。東京五輪まであと2年となったが、その特別な舞台を楽しむためにもJリーグで必死に出場機会を得ようとする若き選手たちの頑張りは要注目だ。

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