脅威のデュエル勝率に鋭いカウンターアタック メキシコ代表もロシアW杯優勝候補に入れるべき

快心の戦い見せるメキシコ photo/Getty Images

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英メディアが驚くデータ

ドイツ代表、メキシコ代表、韓国代表、スウェーデン代表のグループFはひとまずドイツが通過を決めてくるだろうとの甘い計算は脆くも崩れ去った。このグループで最も魅力的なフットボールを展開しているのはメキシコだ。初戦でドイツ代表を1-0で撃破したゲームのように、メキシコは攻守の切り替えも異常に速く、チームとしてやるべきことがはっきりしている印象がある。

英『Squawka』は、ここまでのデータからメキシコも新たな優勝候補と呼んでいいのではないかと主張している。何と言っても目立つのはハビエル・エルナンデス、イルビング・ロサノ、カルロス・ベラのアタッカー3枚だ。前線で常に相手の最終ラインと駆け引きをしてチャンスをうかがっているエルナンデス、サイドを驚異的なスピードで疾走するイルビング・ロサノ、的確なボールコントロールでカウンターアタックを先導し、チャンスを提供し続けるベラのトリオは対戦相手の脅威になっている。

イルビング・ロサノはドイツ戦で1点、ベラとエルナンデスは韓国戦で1点ずつ決めており、状態は万全だ。この3人はどのチーム相手でもチャンスを作り出せるだろう。特にベラはここまで6度のチャンスメイク数を記録しているが、これより多くのチャンスメイクを記録したのは9回のベルギー代表MFケビン・デ・ブライネ、ブラジル代表FWネイマール、フィリペ・コウチーニョ、7回のドイツ代表DFジョシュア・キミッヒの4人だけ。ベラは今大会屈指のチャンスメイカーなのだ。
そして彼らに素早くボールを届けるための堅守も抜群に機能している。メキシコは2試合で219回デュエルにトライし、そのうち126回で勝利。勝率は57.53%を記録している。これより上の数字を記録しているのは58.54%の日本代表と58.49%のイングランド代表だが、両チームともまだ1試合しか戦っていない。しかも日本の相手コロンビア代表は1人少ない状況が続いていた。またタックル数だけで見ると、メキシコの成功数33回は今大会最多だ。個人ではMFエクトル・エレーラが7回を記録しており、これより多いのはロシア代表MFロマン・ゾブニンの8回のみだ。

中盤で的確にボールを奪い、前線トリオを中心に速攻を仕掛けていくメキシコの戦い方はピタリとハマっている。もちろんこれとは別のオプションもなければワールドカップを制するのは難しいが、それでも今の完成度を考えると上位を十分に狙えるはずだ。死の組と言われたグループFで2連勝したメキシコも優勝候補の一角に数えられるべきだろう。

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