タレント力はボバン、シュケルら98年大会の方が上 それでもファイナルへ進んだクロアチアの強み

決勝へ進出したクロアチア代表 photo/Getty Images

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延長戦3連発でも足が止まらない

史上初のワールドカップ決勝進出を決めたクロアチア代表は、大会前から豪華なタレントを揃えるチームと評判だった。しかし、今大会の成功はタレント力だけで成し遂げられたものではない。

独『DW』も、中盤を除けば1998フランス大会で3位に入った当時のクロアチア代表の方がメンバーは豪華だったのではないかとの見方を示している。最終ラインでは現在ドマゴイ・ヴィダとデヤン・ロヴレンのセンターバックコンビが奮闘しているが、同メディアはどちらも当時のダリオ・シミッチ、スラベン・ビリッチの領域にはないと評価している。最終ラインは決してタレントが揃っているわけではない。

前線はマリオ・マンジュキッチ、アンドレイ・クラマリッチらが現在の主軸だが、当時は大会得点王に輝いたダヴォル・シュケルがいた。シュケルは0-1で敗れたグループステージのアルゼンチン代表戦を除き、7試合中6試合で1点ずつゴールを決めている。これほど得点を保証してくれるストライカーは現在のチームにいない。
中盤は当時もロベルト・プロシネツキ、ズボニミール・ボバン、アリョーシャ・アサノビッチらが揃っていたが、ルカ・モドリッチとイヴァン・ラキティッチを中心とした現在のチームの方が上と評価されているが、それでも最終ラインと前線は当時のチームの方がタレント力で優っていると見られている。

それでもクロアチアが決勝まで進んできたのは、チーム全体のハードワークがあったからこそだろう。マンジュキッチ、アンテ・レビッチ、イヴァン・ペリシッチとアタッカーも恐ろしいほどに走る。準決勝では1点を追いかけるイングランド代表に対し、延長後半までマンジュキッチやペリシッチが相手を追い回して前線に蹴ることを許さなかった。決勝トーナメントに入ってから全試合延長戦までもつれているチームとは思えぬ運動量だ。

時代が違うとはいえ、これほどの運動量は当時のチームにもなかったものだ。しかもイングランド戦は延長戦に入るまで交代カードを1枚も切っていない。誰1人サボらない走れる選手が最終ラインから最前線まで揃っていることこそ今のクロアチア最大の強みなのだろう。

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