今夏は市場で積極的な動きが目立ち、チャンピオンズリーグにおける力関係も少々変わりつつある。昨季はレアル・マドリードが3連覇を果たしたが、クリスティアーノ・ロナウドが抜けたショックはあまりに大きい。今季は新たな王者が誕生する可能性が極めて高いと言えよう。
そこでスペイン『MARCA』は、今季の優勝候補8チームをリストアップ。どれも力のあるチームだが、同メディアはそれぞれに克服すべき弱点があると指摘している。これをクリアできれば、優勝への道が見えてくる。
・レアル・マドリード
レアルは王者だが、前述した通りロナウド退団の穴が大きい。今季は苦しい戦いとなるだろう。ロナウドの穴を埋めるゴールゲッターが現れるのか、それともチーム全体で失点数を減らしていくなどの工夫をしていくのか。いずれにしても今季のチャンピオンズリーグ制覇は簡単ではない。
・バルセロナ
バルセロナは新戦力を順調に補強したが、アルトゥーロ・ビダルを除けばチャンピオンズリーグでの経験が不足していることが気にかかる。また攻撃面は相変わらずリオネル・メッシ頼みで、ルイス・スアレスとメッシが爆発しなければ機能不全となるのが欠点だ。
・アトレティコ・マドリード
アトレティコは昨季ヨーロッパリーグに回る屈辱を味わっており、昨季のようにカラバフなど格下相手に白星を取り逃がすケースがある。格上との戦いでは粘り強さが活きてくるが、格下相手にしっかりと勝利できるのか。グループステージの戦いにおいてこれがポイントに挙げられている。
・ユヴェントス
今夏にロナウドが加わり、ユヴェントスは優勝候補として今大会に臨む。以前のように戦力ではレアルやバルセロナに劣っているとの言い訳は通用せず、ロナウドを獲得したことで生まれるプレッシャーに対処できるかに同メディアは注目している。
・マンチェスター・シティ
ジョゼップ・グアルディオラの下で展開しているサッカーは間違いなく世界トップクラスだ。ただ、同メディアはマンCの選手たちにチャンピオンズリーグを制するだけのメンタリティが備わっているか疑問視している。戦術面以上に精神面がカギになると見ているのだ。また、ボールを思うように支配できなかった場合の戦い方も用意しておくべきと伝えられており、プレミアリーグのように簡単にはいかないと強調されている。
・リヴァプール
昨季のファイナリストだが、決勝に進めたのはモハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノの3人が絶好調だったからだ。今季も決勝までたどり着くには、3人が好調を維持していることが絶対条件となる。今季も前線は開幕から元気だが、シーズンを通して続けられるか。
・パリ・サンジェルマン
PSGは指揮官次第だろう。同メディアもクラブが新たな歴史を築けるかは新指揮官トーマス・トゥヘルにかかっていると取り上げており、昨季まで指揮したウナイ・エメリもスター軍団を今ひとつコントロールできていなかったところがある。トゥヘルにチャンピオンズリーグでの経験値がそれほど無いことも気にかかる。
・バイエルン
バイエルンの場合は、今夏の補強が不十分と指摘されている。現陣容も十分に強力ではあるものの、アリエン・ロッベンやフランク・リベリなどベテラン勢は怪我のリスクを避けるためにも上手くローテーションさせていかなければならない。こちらも青年監督ニコ・コバチ次第だ。コバチもチャンピオンズリーグでの経験が不足しているため、そこは他クラブとの大きな差になるだろう。
同メディアが挙げたのはこの8チームだが、指揮官のチャンピオンズリーグでの経験が不足しているPSGとバイエルン、ロナウドが抜けたレアルはやや苦しいか。ユヴェントス、マンCはメンタルの問題さえクリアできれば優勝できる力があると評価されており、戦力的には彼らが優勝候補か。
リヴァプールもマネとサラーが開幕から結果を出していることに加えて守備が安定している。これが続けば十分に優勝を狙えるだろう。バルセロナもメッシ頼みと言われるが、それはこれまでも同じこと。メッシが怪我なくピッチに立っている場合は常に優勝候補だ。
同メディアが指摘する弱点ばかりを見ると優勝予想は難しいが、今季頂点に立つのはどのクラブなのか。