欧州主要リーグが開幕し、早くも約2ヶ月が経ったが、思うようなスタートが切れたクラブもいれば、そうでないクラブもいる。前者の場合、チームを立て直すために変化を加えたくても、基本的には冬のマーケットが開くまで新たな選手を獲得することができない。そのころには、「時すでに遅し」となっていることも。ただ例外として、無所属の選手ならば移籍期間に関係なく、現在も新たな選手を獲得することは可能だ。そんな選手たちが、スタートダッシュに失敗したチームの救世主となる可能性もある。スペイン紙『MARCA』が、過去に実績を残している『無所属選手ベストイレブン』を[4-3-3]のシステムで紹介している。移籍金がかからないため、もしかしたらJリーグのクラブにとっても今後の狙い目の選手となるかもしれない。
かつてアルゼンチンに五輪金メダルをもたらしたオスカル・ウスタリ photo/Getty Images
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GKオスカル・ウスタリ(元アルゼンチン代表)
1986年7月3日生まれ(32歳)
主な所属先:インデペンディエンテ、ヘタフェ、ボカ・ジュニアーズなど
出場機会はなかったが、19歳ながら2006年のドイツW杯の登録メンバー入りを果たした逸材。さらに、2008年の北京五輪では、リオネル・メッシやセルヒオ・アグエロらとともに金メダルを獲得している。ただ、怪我に悩まされるキャリアを送っており、これまでクラブを転々としてきた。昨季も負傷離脱により出場した試合はわずかに「9」。今夏、2016年からプレイしてきたアトラス(メキシコ)を退団することが決まった。
リヴァプール時代のグレン・ジョンソン photo/Getty Images
マンU時代のパトリス・エヴラ photo/Getty Images
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RSBグレン・ジョンソン(元イングランド代表)
1984年8月23日生まれ(34歳)
主な所属先:ウェストハム、チェルシー、リヴァプールなど
母国の名門クラブでプレイし、イングランド代表としても54キャップを記録しているベテランDF。W杯も南アフリカとブラジルの2大会に出場している。ここ3年間はストーク・シティでプレイしてきたが、昨季終了後に契約満了を迎え、フリーとなっていた。
LSBパトリス・エヴラ(元フランス代表)
1981年5月15日生まれ(37歳)
主な所属先:モナコ、マンチェスター・ユナイテッド、ユヴェントスなど
マンUやユヴェントスで、数々のタイトルを獲得してきたフランス屈指の左サイドバック。2008-09シーズンには欧州制覇も経験している。2017年1月にマルセイユへ移籍し、何度かキャプテンマークを巻いてプレイすることもあったが、同年11月に試合前にサポーターにキックを見舞う事件を起こし解雇。3ヶ月の無所属生活を経て、今年2月にウェストハムへ4ヶ月間の契約で加入したが、わずか5試合の出場にとどまり、シーズン終了後に延長されることはなかった。
ドルトムント時代のフェリペ・サンタナ photo/Getty Images
マラガ時代のヘスス・ガメス photo/Getty Images
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CB:フェリペ・サンタナ(ブラジル人)
1986年3月17日生まれ(32歳)
主な所属先:ドルトムント、シャルケ、アトレティコ・ミネイロなど
ドルトムントの黄金期を支えたDFのひとり。2012-13シーズンのCLでは、準々決勝・2ndレグ(マラガ戦)で後半ATに値千金の逆転ゴールを決め、ベスト8突破に大きく貢献した。その後、2017年に母国へ復帰したが、思うような出場機会を得られず、現在はフリーとなっている。
CBヘスス・ガメス(スペイン人)
1985年4月10日生まれ(33歳)
主な所属先:マラガ、アトレティコ・マドリード、ニューカッスル
マラガ史上最高の選手と言われるDF。下部組織時代から過ごし、同クラブで公式戦258試合に出場している。2014年夏にアトレティコへの移籍を決断したが、欧州トップクラブでは定位置を確保することができず、わずか2年で退団。2016年夏からは戦いの舞台をイングランドへ移し、ニューカッスルへ加入したが、怪我に悩まされてそこでも思うような出場機会を得られなかった。今夏、彼の心のクラブであるマラガ復帰が噂されたが、実現しなかった。
アーセナル時代のマテュー・フラミニ photo/Getty Images
ローマ時代のアルベルト・アクイラーニ photo/Getty Images
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MFマテュー・フラミニ(元フランス代表)
1984年3月7日生まれ(34歳)
主な所属先:マルセイユ、アーセナル、ミランなど
あのヴェンゲルも認めた若き才能ももう34歳。近年は所属クラブでなかなか出場機会に恵まれず、半年間の無所属生活を経て今年2月に加入したヘタフェでも、8試合の出場にとどまっていた。同紙は「サッカーよりもビジネスに力を入れている」と取り上げている。2008年に共同で会社を立ち上げ、エネルギービジネスを開始。石油燃料に変わるエネルギーと嫌いされる有機化合物のレブリン酸を、世界で初めて大量生産する技術を実用化させたことでも話題を呼んでいた。
MFアルベルト・アクイラーニ(元イタリア代表)
1984年7月7日生まれ(34歳)
主な所属先:ローマ、リヴァプール、ユヴェントス、ミランなど
若いころから母国を背負って立つと期待されたイタリアの逸材。同国代表の各年代でプレイし、2003年のU-19欧州選手権では優勝に貢献して大会MVPにも輝いている。ただ、怪我に悩まされることが多く、2009年にローマを退団して以降はクラブを転々とする。昨季はラス・パルマスでプレイし、リーグ戦21試合に出場していたが、シーズン終了後に退団。現在は新天地を求めてローマでトレーニングに励んでいるという。
昨季ジェノアでプレイしたミゲル・ヴェローゾ photo/Getty Images
インテルナシオナル時代のニウマール photo/Getty Images
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MFミゲル・ヴェローゾ(元ポルトガル代表)
1986年5月11日生まれ(32歳)
主な所属先:スポルティング、ジェノア、ディナモ・キエフなど
ポルトガルの世代別代表から主力として活躍し、ナニらとともに同世代の有望株と言われた選手だ。A代表でも56キャップを記録し、W杯やEUROでもプレイ。EURO2012ではベスト4進出に貢献した。その結果、多くのクラブが関心を寄せたが、彼が新天地に選んだのはウクライナの名門。同紙は、当時のことを「驚きのサイン」と振り返っている。2016年からは古巣ジェノアへ復帰し、昨季はリーグ戦22試合に出場するも今夏に退団。現在は古巣スポルティング復帰の噂があるが、はたして。
RWGニウマール(元ブラジル代表)
1984年7月14日生まれ(34歳)
主な所属先:インテルナシオナル、ビジャレアル、サントスなど
かつてセレソンの一員としてプレイし、南アフリカW杯へも参加したアタッカー。2017年夏に母国へ復帰しサントスへ加入したが、直後にうつ病と診断され、同年12月に所属クラブとの契約を解除した。1年近くもピッチから遠ざかっているが、同紙によると、今夏にトレーニングを行なっており、左の際に本人も「状態は良好だ」と述べていたという。はたして、ここまま引退してしまうのか、それとも現役を続行するのか。
マンC時代のサミル・ナスリ photo/Getty Images
昨季後半戦はジェノアでプレイしたジュゼッペ・ロッシ photo/Getty Images
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LWGサミル・ナスリ(元フランス代表)
1987年6月26日生まれ(31歳)
主な所属先:アーセナル、マンチェスター・シティ、セビージャなど
U-17欧州選手権を制し、黄金世代と言われたフランス代表の「87年組」のひとり。母国の英雄と比較されることも多く、“ジダン2世”と言われた。しかし、華麗なプレイとは対照的に、ピッチ内外で問題を起こすことも。同紙は「彼の姿勢が、才能をダメにした。彼がなぜキャリアで成功を収められなかったのかは、彼の頭だけが説明できる」とコメント。現在、pドーピング検査に引っかかった影響で、2019年1月までの出場停止処分が科されている。ただ、今年11月からトレーニングに参加することが許可されているため、近々新天地が発表される可能性も。エヴァートンなどが興味を示している。
CFジュゼッペ・ロッシ(元イタリア代表)
1987年2月1日生まれ(31歳)
主な所属先:マンチェスター・ユナイテッド、ビジャレアル、フィオレンティーナ
イタリアの将来を担うと期待されるも、何度も靭帯を損傷するなど、これまで大怪我に悩まされてきた“ガラスの天才”。2008年の北京五輪で得点王を獲得したり、ビジャレアル時代に4シーズン連続でリーグ二桁得点を記録したり、ゴールへの嗅覚は抜群だ。まだ31歳ということもあり、怪我さえなければ、苦しいシーズンを送っているクラブにとっては救世主となるかもしれない。