リーグ制覇したのに批判を浴びる? 欧州五大リーグで上がるハードル

バルセロナを指揮するバルベルデ photo/Getty Images

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もはやリーグ制覇だけでは不十分

やはりビッグクラブのサポーターは何よりもチャンピオンズリーグを優先しているということなのだろうか。今季欧州五大リーグを制した指揮官の多くが批判を浴びる奇妙な状況が起きている。

スペイン『MARCA』がリーグ制覇だけでは不十分なのかと注目しているが、例えばリーガ・エスパニョーラではリーグ制覇を決めているバルセロナ指揮官エルネスト・バルベルデに疑問の目が向けられている。昨季のローマ戦に続き、今季はチャンピオンズリーグ準決勝でリヴァプールに大逆転負けを喫してしまった。国内では今季もリーグ戦とスペイン国王杯の2冠を達成できそうなのだが、チャンピオンズリーグの内容からバルベルデにバルセロナの指揮官は務まらないとの意見も出ている。ローマ戦もリヴァプール戦も大逆転負けしていることが印象を悪くしており、サポーターの中にも不満を抱いている者は多いだろう。

プレミアリーグではジョゼップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・シティがリヴァプールとのデッドヒートを制して連覇を果たしたが、こちらもチャンピオンズリーグでの戦いがまずかった。国内で抜群の安定感を誇っているにもかかわらず、チャンピオンズリーグでは2シーズン続けて同じイングランド勢に敗れてしまったのだ。昨季はベスト8でリヴァプール、今季はベスト8でトッテナムだ。サポーターからはスタメン選考を疑問視する声もあり、グアルディオラもチャンピオンズリーグの結果から少々評価を落としてしまったように感じられる。
フランスのリーグ・アンではパリ・サンジェルマン指揮官トーマス・トゥヘルがピンチだ。トゥヘルの場合はチャンピオンズリーグの結果もそうだが、今季は国内のカップ戦も嫌な形で落としてしまった。結局リーグタイトルしか獲得できず、トゥヘルの立場は危ういものとなっている。チャンピオンズリーグではべスト16でマンチェスター・ユナイテッドに逆転負けしており、クラブ上層部が今季の結果に満足しているはずはない。

セリエAではユヴェントスを指揮するマッシミリアーノ・アッレグリが退任を表明した。アッレグリの場合はそれほど大きな批判を浴びていたわけではないが、こちらもチャンピオンズリーグでは結果を残せなかった。今季はベスト8で伏兵アヤックスに敗れ、国内でも今季はコッパ・イタリアを落としてしまった。国内支配は当たり前のミッションと考えられてきただけに、こちらもサポーターは今季の結果に納得していないはず。

最後にブンデスリーガのバイエルンだ。バイエルンは今季よりニコ・コバチが指揮しているが、評価はそれほど高くない。近年は国内リーグを独走するのが当たり前になっていたのだが、今季は序盤戦で躓くなどライバルのドルトムントに隙を見せてしまった。まだDFBポカール決勝も残っているが、2冠を達成してもコバチのポジションは危ない。


バルセロナを除けば、その他4リーグの王者は今季のチャンピオンズリーグでベスト4にも入ることができなかった。どれだけ国内で結果を出していても、チャンピオンズリーグの結果で評価は変わってくるのだろう。特にセリエA、リーグ・アン、ブンデスリーガは1強状態が続いており、サポーターもユヴェントス、パリ・サンジェルマン、バイエルンのリーグ制覇は当然と考えているところがある。指揮官にはプレッシャーがかかるが、やはり満点評価を得るにはチャンピオンズリーグで結果を出すしかないのだろう。

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