引退表明のトーレスが明言「これからもアドバイザーとして鳥栖に関わる」

都内で会見を行ったトーレス photo/Getty Images

ラストマッチは8月23日の神戸戦。イニエスタやビジャと対戦

23日、東京都内のホテルでサガン鳥栖のフェルナンド・トーレスが引退会見を行った。

「自分のなかで求めるサッカーのレベル、パフォーマンスのレベルがあります。引退を決めた理由として、ベストのレベルに到達できていないという疑問点がありました。オプションでもう1年契約はありましたが、ベストコンディションに到達できないなら……と考え、引退を決意しました」

冒頭、引退を決意した理由をこう説明した。2018年7月10日にサガン鳥栖に加わったが、チームはJ1残留争いに巻き込まれ、苦しい状況でのプレイが続いた。それでも、「昨季のマリノス戦でゴールし、残留に貢献できてよかった」と語ったとおり、第33節横浜F・マリノス戦で残留を決めるゴールを決めるなどしっかり役目を果たした。しかし、トップコンディションを取り戻すことは難しく、今シーズンはあまりピッチに立てていなかった。ゆえの引退決断となった。

ただ、もうF・トーレスのプレイが見られないわけではない。引退までには、もうしばらく時間があることが伝えられた。

「ラストマッチも決めました。8月23日のヴィッセル神戸戦(J1第24節)です。古くからの友人であるイニエスタとの対戦であり、この試合をラストマッチにします。ヴィッセル神戸にはスペイン代表で一緒に戦ってきたビジャもいます。引退することを決めましたが、これからもベストを尽くし、ここから成長するために、チームメイトのために自分ができることをやっていきます。ベストコンディションではありませんが、できることをしていきたいと思っています」

また、気になる引退後の活動についても説明した。鳥栖との関係がなくなるわけではなく、アドバイザーとして契約し、今後もクラブの発展に努めていくとのこと。具体的な計画として、「とくにユース、若手の育成に目を向けていきたい。素晴らしい選手がたくさんいるので、彼らを成長させていきたいです」と語り、アカデミーの強化に取り組むことを明かした。

アトレティコ・マドリードの下部組織出身のF・トーレスは2000-2001シーズンに17歳でリーガ(2部)に初出場すると、短期間で主力となり翌年にはチームの1部昇格に貢献。2017-18シーズンまで在籍し、82ゴールを記録した。その後、リヴァプール、チェルシー、ミランという錚々たるクラブを渡り歩き、チェルシー時代にはCL、ELの優勝を経験している。2014-15シーズンにA・マドリードに帰還し、2017-18シーズンまでプレイ。2018年7月10日にサガン鳥栖に加わっていた。

スペイン代表としては2003年9月のポルトガル戦に出場し、19歳でデビュー。2010南アフリカW杯、2008EURO、2012EUROに優勝するなどこちらでも多くのタイトルを獲得している。スペイン代表として110試合出場で38得点。引退会見で残した「自分がやってきたサッカーキャリアを誇らしく思う」との言葉に異論を唱える者はいないだろう。

数々の栄冠を手にしてきたエル・ニーニョ(神の子)が、18年間の現役生活を終える決断を下した。ラストマッチ、最後の一戦となるのは、8月23日のヴィッセル神戸戦だ。それまでに、また少し時間がある。その雄姿、プレイする姿をしっかりと記憶にとどめておきたいところだ。

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