川崎フロンターレは4日、明治安田生命J1リーグ第21節で松本山雅FCとホームで対戦。7割近いボール支配率を記録するも、最後まで攻め手を欠き、0-0のスコアレスドローで試合を終えている。
今季、川崎のボランチのスタメン争いが激化している。そんな中で素晴らしい活躍を見せ、大島僚太や守田英正といった代表クラスの選手たちを脅かす存在となっている二人の新鋭ボランチ。この一戦でスタメンに名を連ねたMF下田北斗とMF田中碧が、試合後のインタビューに応じてくれた。
やはり二人とも、最初に口にしたのはホームで勝利できなかった悔しさだった。下田は「引かれた中で崩すなり、外からなり、点を取らなくちゃいけなかった。そこができなかったので本当に悔しいです。ボランチで相手をうまく引き出して、その後ろのスペースとかを使えればいいなと思っていたんですけど、なかなかそれができなくて、外、外となってしまった。後半焦れてきて(スペースが)空くかなとも思ったんですけど、なかなか空かないまま、解決策を自分たちで見つけられないまま終わってしまった。先に点を取れていれば、当然自分たちが進めやすいゲームになったと思いますけど、それができなかったというところが力不足と感じた。僕個人としては、もっとやっていかなくちゃいけないなと思いました」と述べた。
一方の田中も「チームどうこうというよりかは、個人としても、ボランチの選手としても、チームをどのように勝たすかという意味で言えば自分は何もできなかった。改めてもっともっとやらなければいけないなというのは感じました。ああやってアウェイで割り切ってくるチームというのはこれからも増えてくると思います。そういう相手に対して、自分たちがどうやってゴールを取るのかというので、ひとりひとりの頭の絵を合わせていく作業をしていかなきゃいけない。そういったとことの工夫として、どうやって攻めるのかというのをボランチが誘導しなければいけないのかなと思いました」と話している。
川崎は7月27日から続いた3連戦で、[3-4-2-1]のフォーメーションで戦う相手と対戦し、1勝1分1敗で終えた。第20節の大分戦では前半の給水タイムの戦術変更で流れを掴み勝利を手にしたものの、この3連戦は総じて守備時に枚数をかける[5-4]のブロックに苦しんだ印象だ。この件について二人に聞いてみると、次のような答えが返ってきた。
ーー守り方は違えど、この3連戦は[5-4]のブロックを敷く相手に少し苦戦を強いられたように思うのですか、どう見ていますか?
下田「[5-4]のブロックを組まれてスペースがなくなると、なかなか難しい場面があった。ただ、うまく相手を引き出したりとか、大分戦とかはうまく(スペースを)使える面もあったので、相手のスペースをうまく見極めてやりたいです。自分とかボランチからクサビのパス、少し厳しくても入れたりするのも大事だと思う。それがなかなかできなかったのがもったいなかった」
田中「チームによってやり方は違います。最初の大分、僕は出てないですけど広島、そして山雅と、[5-4]のブロックを組んでくる中でもやっぱりタイプは違いました。ただ共通して言えることは、いかに5枚の最終ラインでギャップを作って、そこにランニングだったり、ボールを届けたりできるかが大事だと思います。今日の試合に関していえば、そういうシーンがほぼなかったですし、実際にチャンスというチャンスもなかった。そう意味ではまだまだ力不足と感じました」
この3連戦で得たものもたくさんあるだろうが、自身の力不足を痛感した下田と田中。今回の結果により、今後は川崎対策として[5-4]のブロックを敷いてくるチームが現れるかもしれない。その時は間違いなくボランチの二人がキーマンとなるはずだ。この悔しさをバネに、今後のさらなる成長に期待したい。
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