川崎フロンターレは24日、明治安田生命J1リーグ第24節で清水エスパルスをホームへ迎え入れた。
14分にFWレアンドロ・ダミアンのゴールで先制に成功した川崎だが、30分にFKから、65分にカウンターから失点を喫し、清水に逆転を許す。しかし、途中出場を果たしたFW小林悠が79分に貴重な同点ゴールを奪い、2-2で試合終了のホイッスルを迎えた。黒星を回避したものの、川崎はリーグ戦で5試合白星から遠ざかり、4位へ後退している。
前節のベガルタ仙台戦に続いて、この一戦でもスタメンに名を連ね、フル出場を果たした川崎MF中村憲剛。同点ゴールの起点になるなど、チームを牽引したフロンターレの“バンディエラ”が試合後の取材に応じてくれた。
まず「試合前から相手がディフェンスを固めてきても、点を取りに行こうという姿勢は出していましたし、シュートも積極的に打っていましたし、1点とって畳み掛けるというところも狙いに行っていたと思います。ただ、失点してちょっと向こうが元気づいてしまったし、その前に追加点を取れるチャンスも2つぐらいあった。(追加点を)取れない時に失点をしないとか、今までだったら失点しなかったんですけど……。後半も基本的にはハーフコートゲームで進んで、自分たちのミスから2失点目を取られ、そうしたら相手もフルパワーで守ってくるわけで。ただ(清水が)システムチェンジしてくれたので、隙ができたなというのもかなりあった。その前から空いてるところがあったけど、そこを突けなかったりとか、惜しかったりとか……。決定機は作れないんだけどずっと押し込んでいるみたいな状態で、丁寧さが足りないかなというのは少し感じましたけど、(小林)悠が決めてくれた。最後に逆転というところまで行ったので、非常にもったいないゲームだったと思います。自分たち(のミス)から失点してしまっているので、そこが改善されない限り、夏場で2失点して勝つというのは簡単なことじゃないと思う」と試合を振り返った。
そして、その「改善点」についても「仙台戦もそうですけど、失点の仕方を自分たちでもっともっと突き詰めていくしかないかなという感じですね。(失点を)しないというのが前提ですけど。攻めの方は、人が代わっていく中でどうやって合わせていくかというところ。下でやる(足元でつなぐ)のか上でやる(ロングボールを入れる)のかの選択の意外性とか、上でやれる選手もいるし、下でやれる選手もいるので、どう使い分けるかが合ってくればなぁ〜というところがすごくある。ずっと言ってますけど、目を揃えるのが大事。1点目のダミアンのクロスとかも練習している形なので、徐々に合ってきてはいる。失点をフォーカスするだけじゃなくて、パススピードのところもそうだし、止めるところもそうだし、いつ動くかというところもそうだし、もっともっと合わせていかないとなとは思います」と明かしている。
なかなか白星を手にすることができていない現状に、変化を求める声もあるが、中村は川崎のスタイルを「変える必要はない」と考えているようだ。「今日のに関していえば、前半の前半5分ぐらいはちょっと相手に攻められましたけど、それ以降は自分たちがボールを握って点も取れたし、自分たちのリズムを取りながらやれている。勝ってないんで決してうまく行っているとは思いませんけど、かと言って全くうまく行っていないというわけでもない。ハーフコートで押し込むのであれば、もっとと緻密さや丁寧さは必要だと思うけど、自分たちのサッカーを何か劇的に変える必要はないと僕は思う。緻密さや丁寧さ、目を揃える作業は練習していくしかないと思います。ダミアンの1点目のところもそうだし、(齋藤)学のアシストもそうだし、悠の2点目もそうだし、良さは出せているので、それをもっと意図的に出せるように、みんながもっと相手や味方を見ながらプレイできるといいかなと思います」と述べている。
試合前には、先日達成したJ1通算450試合出場のセレモニーが行われ、このメモリアルを祝福するサポーターからは「GO! KENGO!! Next500」の横断幕が掲げられた。ただ、中村は「気が早いっすね。そんなねぇ……歳も歳なんで、先々のことは考えてられないので、1試合1試合積み重ねていきたいと思います。1試合1試合積み重ねてきた人生なので、またここからも頑張りたいと思います」と話しており、目の前の試合へ全力を捧げる。10月31日に39歳の誕生日を迎えるが、今後のさらなる活躍に期待だ。
●電子マガジンtheWORLD(ザ・ワールド)最新号を無料で公開中!
久保建英がカバーの最新号は、欧州4大リーグからJリーグまで網羅したヤングスター特集。今、サッカー界を熱くしてくれる期待のU-22選手はこの29人だ!
こちらから無料でお読みいただけます。
http://www.magazinegate.com/theworld/