この10年のパフォーマンスから世界最高の左サイドバックを選ぶなら、レアル・マドリードDFマルセロの名前を挙げる人が多いのではないだろうか。チャンピオンズリーグを4度制し、2010年以降ではリーガ・エスパニョーラを2度制覇。タイトルの面でもパフォーマンスの面でも世界最高の左サイドバックの称号にふさわしい。
そんなマルセロは23日に行われたザ・ベスト・FIFAフットボールアウォーズの授賞式にて発表された年間ベストイレブンに選出された。DFではフィルジル・ファン・ダイク、マタイス・デ・リフトのオランダコンビ、マルセロと同じレアルからセルヒオ・ラモスが選ばれたのだが、スペイン『MARCA』はマルセロが選出されたことに少し驚いている。なぜなら、昨季のマルセロはポジションを失う時期もある苦しい時間を過ごしたからだ。
同メディアは、昨季少なくともマルセロより良いシーズンを過ごした左サイドバックが5人いると主張する。マルセロも31歳を迎えており、世界最高の左サイドバック争いにも変化の時が訪れているのかもしれない。
・アンドリュー・ロバートソン(リヴァプール)
ロバートソンは外せないだろう。昨季は合計13のアシストを記録しており、チームのチャンピオンズリーグ制覇に貢献。若い頃はなかなか芽が出ない苦しい時間も過ごしたが、一気にワールドクラスのサイドバックへと成長を遂げたのだ。縦への爆発的な加速力、攻守両面の上下動、アシスト力を考えれば世界最高の左サイドバックの候補に挙げられても不思議はない。
・ニコラス・タグリアフィコ(アヤックス)
昨季チームのチャンピオンズリーグ・ベスト4入りに貢献したタグリアフィコは、サイドバックながら昨季チャンピオンズリーグで3得点を記録。今季も4得点3アシストを決めており、エールディヴィジでプレイしているとはいえ見逃せない攻撃力だ。昨季に限ればマルセロを上回っていたと言っていい。
・ジョルディ・アルバ(バルセロナ)
アルバの場合は数年前から高い評価を受けており、マルセロと世界最高の左サイドバックの座を争ってきた間柄だ。この選出に驚きはないだろう。同メディアはチャンピオンズリーグ準決勝・リヴァプール戦のパフォーマンスは悪かったと指摘しているが、昨季は全てのコンペティションを合わせて17のアシストを記録している。文句なしでマルセロより良いシーズンを過ごしたと言えよう。
・アレハンドロ・グリマルド(ベンフィカ)
ポルトガルリーグとリーガ・エスパニョーラのレベルを比較することはできないが、それでもグリマルドが昨季残した7得点13アシストの数字は評価されるべきだろう。現在24歳のグリマルドはバルセロナのカンテラ出身選手としても有名で、2015年よりベンフィカで実力を伸ばしてきた。同メディアはスペインでプレイしていないのが残念と伝えており、欧州4大リーグでプレイできるだけの実力者と言えよう。将来的な世界最高の左サイドバック候補か。
・リュカ・ディーニュ(エヴァートン)
エヴァートンは中堅クラブで、何かビッグタイトルを獲得するシーズンを過ごしたわけではない。しかし同メディアはバルセロナを退団してエヴァートンへ向かったディーニュのことを評価しており、昨季はリーグ戦で71のチャンスメイク、280本ものクロスを蹴っている。成績も4得点4アシストの数字を残しており、左サイドの職人だ。マルセロより良いシーズンを過ごしたのは間違いないか。
今回のベストイレブンでもロバートソン、アルバ、タグリアフィコあたりが選ばれても不思議はない。マルセロも今季は挽回しようと燃えているはずだが、今季も思うような成績が出なかった場合は本格的に世界最高の左サイドバック争いから脱落することになるかもしれない。
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