欧州で最も過酷なリーグと言っても過言ではないプレミアリーグで、結果を残すのは決して簡単なことではないだろう。ましてや、初めてプレイするのであればなおさらだ。高額な移籍金で加入し、今季から同リーグで初めてプレイする期待の新戦力たちも苦戦を強いられている。その中で、特に新天地で期待に応えることができていない選手を、英紙『Daily Mail』が取り上げた。
同紙は「プレミアリーグが依然として世界で最も過酷なテストであることを証明するガッカリな夏の契約」との見出しで、開幕前の期待を裏切っている6名の選手を紹介。「プレミアリーグで初めてプレイするのは、移籍金に関係なく厳しい仕事だ」と綴った同紙が1人目に選んだのは、ドルトムントからチェルシーへ移籍し、エデン・アザールの後釜としても期待されたアメリカ代表FWクリスティアン・プリシッチだ。ここまで公式戦7試合に出場するも未だゴールを挙げることができていない。「チェルシーアカデミーの才能、メイソン・マウント、タミー・エイブラハム、カラム・ハドソン・オドイたちに完全に隠れてしまっている。フランク・ランパードのイレブンで居場所を勝ち取るのは難しい」とクラブでの難しい状況を伝えている。
2番目に選んだのは、クラブ史上最高額の移籍金4000万ポンドでニューカッスルへ加入したブラジル人FWジョエリントン。ここまでリーグ戦全8試合にスタメン出場し、主にワントップを任されているが、ゴールを決めたのは第3節のトッテナム戦のみとなっている。こういった状況もあり、同紙は「ホッフェンハイムから記録的な移籍をしたが、ジョエリントンは今季、スティーブ・ブルースのチームで明らかに苦戦しており、効果的でないように見える」などと厳しいコメントを浴びせた。
3番目には、復権を目指すアーセナルがクラブ史上最高額の7200万ポンドをつぎ込んで獲得したコートジボワール代表FWニコラ・ペペが名を連ねた。昨季リーグ・アンで22ゴール11アシストを記録したアタッカーだけに、周囲の期待値はさぞかし高かったことだろう。しかし、いざシーズンが開幕してみると、ここまで公式戦10試合に出場して1ゴール1アシストと、少々寂しい結果となっている。
他には、ユヴェントスで昨季ブレイクを果たしたイタリアの超新星モイーズ・キーン(エヴァートン)、ロシアW杯で日本代表とも対戦したセネガルの若き逸材イスマイラ・サール(ワトフォード)、昨季チャンピオンシップでゴールを量産したチェ・アダムス(サウサンプトン)が選出された。今季の活躍が期待されたこの6選手の移籍金総額は、なんと2億3500万ポンド(約316億円)。これだけの大金が動いているにも関わらず、6選手はここまで公式戦計49試合で3ゴールしか挙げられていないという。
他のリーグで結果を残してきた期待の選手たちが、こうも苦戦を強いられている。ただ、まだまだシーズンは始まったばかりで、これらの選手を評価するには早すぎるかもしれない。ピッチの己の存在価値を証明し、評価を覆すことができるのか。
『Daily Mail』が取り上げた6選手は以下の通り
・クリスティアン・プリシッチ(ドルトムント→チェルシー)
移籍金:5800万ポンド(約78億円)
今季成績:7試合0ゴール
・ジョエリントン(ホッフェンハイム→ニューカッスル)
移籍金:4000万ポンド(約54億円)
今季成績:8試合1ゴール
・ニコラ・ぺぺ(リール→アーセナル)
移籍金:7200万ポンド(約97億円)
今季成績:10試合1ゴール
・モイーズ・キーン(ユヴェントス→エヴァートン)
移籍金:2500万ポンド(約34億円)
今季成績:9試合0ゴール
・イスマイラ・サール(レンヌ→ワトフォード)
移籍金:2500万ポンド(約34億円)
今季成績:7試合1ゴール
・チェ・アダムス(バーミンガム→サウサンプトン)
移籍金:1500万ポンド(約20億円)
今季成績:8試合0ゴール