「5点の負けも10点の負けも変わらない」 カンボジアに浸透する“ホンダ流”

カンボジア代表を実質的に指揮する本田 photo/Getty Images

攻撃的なスタイルを貫き続ける

本田圭佑が実質的に指揮を執るカンボジア代表は、先日行われた2022カタールワールドカップ・アジア2次予選のイラン代表戦を0-14のスコアで落としてしまった。アジア2次予選とはいえ、14失点を喫しての敗北は衝撃的だ。批判を浴びるのも仕方がないだろう。

しかし、カンボジアの選手たちは本田と同じ景色を見ている。本田はカンボジアで指揮を執るようになってから、常に攻撃的な姿勢で戦うことを強調してきた。強豪が相手でも、自陣ゴール前を固める守備的な戦術は採用しない考えを貫いているのだ。そんな本田の哲学は確実にカンボジアの選手たちにも浸透している。

『FOX Sports Asia』によると、イラン戦にも出場していたカンボジア代表MFチェリー・ビンは自分たちがトライしているサッカーへの理解を求めている。対戦相手に関係なく、ボールを積極的に保持して攻め込もうとするのがカンボジアの戦いというわけだ。

「正直、5点奪われての敗戦も10点奪われての敗戦も違いはない。サポーターや、周りの人間はそれをクレイジーだと言うと思う。だけど、彼らは僕たちがゴール前を固めてロングボールを蹴るサッカーではなく、トライしていることを理解する必要がある」

イランはアジアの中では1、2を争う強豪国で、ワールドカップでも常連チームに数えられる。イランや日本代表がいる位置をアジアのトップクラスとするなら、カンボジアがそこにたどり着くまでの道のりはかなり遠いと言えよう。それでも、ゴール前をただ固めるサッカーでは成長しづらいことを選手たちも理解しているのだろう。

15日にはイラク代表との戦いが控えており、こちらも簡単ではない。しかし、カンボジアは最後まで攻め続ける姿勢を貫くはずだ。本田のこだわりがカンボジアのサッカーをどう変えるのか楽しみだ。

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