浦和がACL決勝で欠いた“バランス” 唯一称賛されたのは守護神・西川周作

アル・ヒラルに敗れた浦和 photo/Getty Images

海外メディアも問題視した距離感

敵地での1stレグではアル・ヒラルの猛攻を全員守備で防ぎ、ホームで迎える2ndレグで一気に反撃する。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)決勝でサウジアラビアの強豪アル・ヒラルと対戦した浦和レッズには、そんなプランがあったに違いない。

今月10日に行われた敵地での1stレグは相手にシュートを22本も打たれながら1失点でゲームを終えており、どちらかといえば1-0の勝利に留まったアル・ヒラルの方がプレッシャーを感じていたはず。一方の浦和はシュートを2本しか打てていなかったため、プラン通りだったのは浦和の方とも言える。

しかし、アル・ヒラルは埼玉でも強かった。この日もバフェティンビ・ゴミス、セバスティアン・ジョビンコ、アンドレ・カリージョの海外組トリオに苦しめられ、結局は19本もシュートを打たれて2失点。2試合合計0-3の完敗だった。

この一戦について『Globo Esporte』は、浦和はバランスを失ってしまったと振り返っている。相手にアウェイゴールを許さず、攻守のバランスを取りながらゴールを狙うのが浦和のやりたいサッカーだったはず。ところが、ゲームのペースをアル・ヒラルに握られてしまった。

「レッズは相手のプレッシャーを受けて多くのミスを犯した。前線と中盤に距離が生まれ、攻撃の選択肢はロングボールしかなくなってしまった」

同メディアはこのように振り返っているが、攻守の距離感は理想的なものとは言えなかった。浦和で唯一のハイライトと称えられたのはGK西川周作のみとなっており、この日も浦和はアル・ヒラルに押し込まれる展開が続いた。

一方でアル・ヒラルのベストプレイヤーにはペルーの快速FWカリージョが挙げられており、カリージョのようなタイプはスペースを与えると非常に危険だ。得点を求めて前がかりになる浦和に対し、徐々にアル・ヒラルのカウンターもキレ味を増した。理想的にゲームを進めたのはアル・ヒラルの方だ。

ファイナルの壁は高かったと締め括られているが、今回ばかりは完敗を認めるしかないか。ACLは国内で苦戦している浦和にとって大きな希望となっていたが、アル・ヒラルはあまりに厄介な敵だった。

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