選手の怪我は間違いなく所属チームにとって痛手だ。主力選手が長期離脱を強いられてしまえば、それだけ戦力が削られチームの順位が下がってしまう可能性が高くなる。しかし、戦力的な損失以外にもクラブにとって痛いことがある。金銭的なロスだ。
負傷して試合に出場することが不可能になったとしても、選手にはクラブから契約に則った週給がキッチリと支払われる。チームへの貢献に期待して高額なお金を払っているのに、その恩恵が受けられない。正直なところ、クラブとしては痛すぎる出費だろう。
では、昨季のプレミアリーグで最も負傷者に支払った金額が多いのはどのクラブか。英『talkSPORT』がランキングを紹介しているが、トップと最下位の金額差はおよそ2500万ポンド(約35億円)と、驚くほどの差が開く結果となった。
まず最も金額が少なかったクラブだが、これは昨季昇格組ながら7位と躍進したウォルバーハンプトンだ。同クラブが負傷者に支払った給料は88万9000ポンド(約1億2500万円)。これはチーム全体の給料の3.1%ほどの額で、彼らは比率的にも昨季最も効率よくチームを運用できたクラブとなっている。
中位から下位は全体の給料自体が上位に比べて少ないケースが多いため、リーグ戦最終成績が二桁順位のクラブも多い。しかし、そんな中で昨季3位に食い込んだチェルシーはビッグクラブでありながらも、今回のランキングはなんと10位。負傷者に支払った額は657万ポンド(約9億3000万円)と、“ビッグ6”の中で唯一1000万ポンド以下となった。全体に対する比率も7.1%と優秀な数字を残している。リヴァプールも1206万ポンド(約17億円)の6位と、ビッグクラブとしては運用の効率が比較的よかったクラブに挙げられるだろう。全体に対する比率は12.9%と低水準だ。
そしてトップ2クラブは驚異の2000万ポンド超え。2位のマンチェスターシティは昨季国内3冠を達成したが、その一方で負傷者も続出。DFバンジャマン・メンディやMFケビン・デ・ブライネといった選手がシーズンの多くをピッチ外で過ごすこととなった。その金額は実に2495万ポンド(約35億3000円)。全体に対する比率も21.6%と高水準に。しかし、それでも優勝してしまうのだから驚きだ。
最後に1位だが、これは2570万ポンド(約36億3000円)を支払ったマンチェスター・ユナイテッドとなっている。全体に対する比率はなんと24.4%。給料総額のうち約4分の1を負傷者に支払っていたこととなる。FWアレクシス・サンチェスなどの高給取りが長い間プレイできなかった影響が如実に出た格好だ。
はたして、今季このランキングはどのように変化するか。避けようと思って避けられるものではないが、自身のためにもクラブのためにも、選手は怪我をしたくないところだ。
『talkSPORT』が紹介したランキングは以下の通り(負傷者へ支払った金額/昨季リーグ戦順位)
1位:マンチェスター・ユナイテッド(2570万ポンド/6位)
2位:マンチェスター・シティ(2495万ポンド/1位)
3位:アーセナル(1985万ポンド/5位)
4位:ウェストハム(1464万ポンド/10位)
5位:トッテナム(1365万ポンド/4位)
6位:リヴァプール(1206万ポンド/2位)
7位:クリスタル・パレス(801万ポンド/12位)
8位:サウサンプトン(763万ポンド/16位)
9位:エヴァートン(672万ポンド/8位)
10位:チェルシー(657万ポンド/3位)
11位:ニューカッスル(622万ポンド/13位)
12位:ボーンマス(611万ポンド/14位)
13位:ワトフォード(505万ポンド/11位)
14位:ブライトン(447万ポンド/17位)
15位:バーンリー(427万ポンド/15位)
16位:ハダーズ・フィールド(417万ポンド/20位)
17位:レスター(390万ポンド/9位)
18位:フラム(368万ポンド/19位)
19位:カーディフ(330万ポンド/18位)
20位:ウォルバーハンプトン(88万9000ポンド/7位)
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