闘莉王、引退会見全文② Jリーグで印象に残った2つの栄光

かつて浦和をJ1優勝へ導いた闘莉王 photo/Getty Images

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1日、京都サンガF.C.に所属する元日本代表DF田中マルクス闘莉王が都内で記者会見を行い、今季限りで現役を引退することを発表した。これまで熱い魂で日本サッカー界を牽引してきた闘将が、会見で現在の心境や19年間のプロ生活などを振り返っている。

質疑応答など、コメントは以下のとおり

――これまで関わったきた人たちに引退を報告した際、印象に残った言葉は?


「(元浦和レッズの社長である)犬飼(基昭)さん。『引退しますよ』と報告したら『おっ、そうなの? それでいいの?』というふんに言われて、そりゃないなと思ったのが印象的でした(笑)。本当にたくさんのお世話になった人がいた中で、『まだやれるぞ!』『まだ大丈夫だよ』『あんたみたいなのはなかなか出てこないよ』と、たくさんの声をかけていただき、幸せ者だと思いました。でも自分が決断したわけで、『すいません』と謝りながら、自分に対する愛もすごく感じました」

――Jリーグの中で印象に残っているシーンとは


「やっぱりJリーグの中では、2つ喜ばしいことがありました。(浦和)レッズのJリーグ初優勝は印象的で、埼スタが、埼玉があれだけ盛り上がることはもう一度あるかどうか……。あれだけ埼玉県民が、浦和レッズサポーターが喜べる瞬間に、あのピッチに立たさせてもらえたことはやっぱり忘れられない。それと(名古屋)グランパスの初タイトル。あれだけ期待をされ、会見でも『男にするぞ』という言葉を発信し、自分に対してもすごくプレッシャーがかかった中での宣言通りのタイトルっていうのは……。最後の瞬間はピッチに立てなかったんですが、すごく心に残った。その2つはJリーグの中でも替えのきかない瞬間だなと思っています」

ーー今後の活動について


 「今後のことはまだ考えていないです。とりあえずブラジルに帰って、たくさんビールを飲んで、たくさん肉を食べて、10キロくらい太って、みなさんが少しでも笑ってくれるような姿を見せてあげられればいいかなと思っています」

プロ生活の最後を京都で過ごした闘莉王 photo/Getty Images

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――闘莉王にとってサポーターの存在とは?


「若いときは相手のサポーターを挑発し、ビッグマウスな一面もあり、ときには自分のサポーターとも言い合い……。ケンカという言い方はあまりよくないと思うので、キレイな言い方で言うとディスカッションをし(笑)、時には檄を飛ばし、時には檄を飛ばされ、真剣に向き合ってきた。おそらく、僕のことを嫌いだなと言う数多くのサッカーファンもいると思います。でも、最後の最後には常にリスペクトしていました。常に勝ちたいなと思っていた中で、たまに頭に血が上り、話せないようなこともたくさんしました。でも、その人たちがいなければ、この瞬間はない。サッカーもつまらない。だから最後の1年は、本当は全クラブのサポーターの人たちに頭を下げ、『すいませんでした』と、そして『ありがとうございました』と、本当に言いたかったです。J2だけではあったんですが。今度機会があれば、今までまだ伝えていないサポータたちにも『すいませんでした』と、『ありがとうございました』と言いたいなと思います」

ーー 現役選手たちへメッセージ


「今は本当にキレイなサッカーばっかり。そういうところにサッカーが進化していっているし、そういうことを求められている。そんな中でもやっぱり泥臭く、多少技術が優れなくても僕みたいに一生懸命にやって、サポーターに喜ばれる姿勢をなくして欲しくないなと。そういう気持ちを伝えられる選手が消えて欲しくないなと。たくさんの人たちがスタジアムに来て、そういう姿を見たいファンたちもいる中で、是非ともそういうプレイヤーは消さないで欲しいなと思いますね」

ーー 最後に過ごした京都サンガF.C.での3年間について


「率直に、3年間本当にありがとうございます。たくさんのケガにあい、自分のパフォーマンスがなかなか上がらない中、結果を求められ、自分の本職ではないMFやFWで使われたりもしたが、すごく申し訳ない。もっと結果を残さなければいけなかった。すごく申し訳ない気持ちで、この3年間は過ごしてきました。今度、みんなが喜ぶ新しいスタジアムがオープンします。いいキッカケだなと。やっぱJ1で戦う京都をもう一度見てみたい。だからこそ、新しいスタジアムで戦えるように、ここに来たら勝つぞと、このホームは強いぞというスタジアムにして欲しいなと思います。J1へ上がるのは簡単なことではありませんが、この3年間身体で感じたので、是非とも若い力、それにベテランの経験やタフさをミックスして、頑張って欲しいなと思います」

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