[MIXゾーン]華やかな攻撃のために、守る。M・ジュニオール「皆が走るサッカーを理解した」

ボールを運ぶM・ジュニオール photo/Getty Images

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優勝へ王手の横浜FM

 11月30日、J1第33節で横浜Fマリノスが川崎フロンターレに4-1と快勝。優勝へ大きな一歩を踏み出した。2位のFC東京とは3ポイント差だが得失点差が7点リードしている。たとえ最終節の直接対決に負けたとしても3点差以内なら優勝が決まる。

 この日もマルコス・ジュニオールが横浜FMの攻撃をリードしていた。15ゴールはリーグトップだが、得点以上にプレイのリズムと流れを作る役割で貢献している。

 川崎のボランチとセンターバックの間のスペースに入り込んでセンターバックを引きずり出したと思えば、相手のボランチの面前に下りてきて全体の注意を引きつけ、攻撃の方向をスイッチする。相手にマークされにくいスペースへ入る、またはわざと相手を引きつける。そうした動きが横浜FMのリズムを作り出している。
「相手のボランチが困る動きを考えながら動いている。自分のポジショニングでチームメイトがプレイしやすいようにしている。今日もそれは上手くやれた」

 当初はウイングやセンターフォワードでも起用されたが、トップ下がマルコス・ジュニオールの頭脳的なプレイを生かすには最も適しているようだ。

 攻撃陣の爆発力が目を引くが、前線からの守備も効いている。アンジェ・ポステコグルー監督も「全員がハードワークしている」と手応えを感じているようだ。「エキサイティングなサッカーのためにハードワークする。これは秘密ではない」と、ポステコグルー監督は話していた。華やかな攻撃サッカーのための献身的な守備は、今季の横浜FMのキーワードかもしれない。

「このチームに来て、皆が走るサッカーを理解し、自分もより守備を意識するようになった。最終節も今季のはじまりから取り組んできたサッカーをしっかりと示したい」

 子供のころから年長者に混ざってプレイするのが好きだったという。

「プロになってからも、クラシコなど大舞台のほうがアドレナリンが出る。今日の試合もそうだった」

 最終戦はホームの日産スタジアム、優勝を決める舞台は整った。

文/西部 謙司


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