南野拓実が評価された“2つ”のシーン デビュー戦で見えた希望

エヴァートン戦で新天地デビューを飾った南野 photo/Getty Images

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地元紙がエヴァートン戦を高評価

現地時間5日、今冬ザルツブルクからリヴァプールへと移籍を果たした日本代表FW南野拓実はFAカップ3回戦のエヴァートン戦で念願の新天地デビューを飾った。この一戦での南野のパフォーマンスはどうだったか。ゴールという明確な結果がなかっただけに少し残念に思っている人もいるだろう。しかし、地元紙がこのサムライに与えた評価はなかなかのものとなっている。

英『Liverpool Echo』がエヴァートン戦における南野のプレイをいくつか切り取って分析をしているのだが、結論から言えば、同メディアは南野の披露したパフォーマンスに満足している。彼らはこのサムライを同クラブで普段FWロベルト・フィルミーノが務めている役割を任せられる存在とみなしているようだ。

その根拠として、同メディアが挙げているシーンが2つある。まずは28分の場面だ。南野は試合を通してビルドアップ時に中盤へ降りてボールを貰う動きを繰り返していたが、この場面はそれがうまくハマったケースと言えるだろう。最終ラインの選手がMFペドロ・チリヴェジャにボールをつけると、南野は例のごとくポジションを下げる。狙っているのは相手最終ラインと中盤の間にぽっかりと空いた広大なスペースだ。
そのままチリヴェジャからボールを受けた南野はクルリと反転してからドリブルを開始。最終ラインに到達した時点で相手DFに止められてしまったが、ボールを長い距離前進させることには成功している。今回は独力での突破を図った南野だが、普段のリヴァプールには両脇にモハメド・サラー、サディオ・マネという世界屈指のウイングがいる。いつも通りの布陣なら南野の見せたこの動きはもっと活きるだろうと『Liverpool Echo』は分析しているのだ。

続いて彼らが評価したのは33分のシーンだ。左サイドを起点にチャンスを創出しようとするリヴァプール。MFカーティス・ジョーンズから左サイドを駆け上がったDFヤセル・ラルーチへボールが渡ると、再び南野は最前線から少し下がった位置にポジションをとる。

すると、この南野の動きが気になったのかエヴァートンDFジェリー・ミナは少し立ち位置を前に修正。しかし、ミナにとってはこれが裏目に出た。南野はミナの動きに合わせて今度は最終ライン裏に向かってフルスプリント。ラルーチのスルーパスは懸命に足を伸ばしたミナにカットされてしまったが、南野はこのシーンで完全にエヴァートン守備陣の裏をかいた。この動き出しには同メディアも「巧妙な動き」と舌を巻いている。

スペースの有効活用ができる選手。南野はエヴァートン戦で現地の人々にそんな印象を植え付けたか。ゴールを奪うことだけがアタッカーの仕事ではない。リヴァプールで求められているとも言われる“フィルミーノ的”な役割。この24歳なら遂行できるかもしれない。

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