ローマの超新星がサッカー辞めかけた過去 繋ぎ止めたのは“父の言葉”

ローマで活躍するザニオーロ photo/Getty Images

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「僕は泣いていた」

現在セリエAで4位につけるASローマ。同クラブは今季からパウロ・フォンセカ氏を新監督に招聘し、昨季逃したチャンピオンズリーグ出場圏内を目指し奮闘している。序盤戦こそ怪我人が続出したものの、現在は多くの主力選手が戦列に復帰してきており、比較的落ち着きを取り戻した印象だ。

エンジンがかかってきたジャッロ・ロッシ。その攻撃陣に欠かせない重要なピースとして奮闘しているのがイタリア代表MFニコロ・ザニオーロだ。昨季ブレイクを果たした弱冠20歳の若者は、ここまで公式戦で6得点。トップ下の選手として頭角を現した彼だが、今季はゴールゲッターとしても一皮むけた。右サイドから中央へ切り込んで放つミドルシュートの威力と精度、190cmの長身を活かした空中戦の強さは日に日に磨きがかかってきている。成長は順調と言えるだろう。

しかし、そんなローマのNEWアイドルが衝撃の告白をしている。なんと、彼はかつてサッカーを辞めかけた過去があるというのだ。『DAZN』のインタビューに登場したザニオーロは、これについて次のように語っている。
「僕は“若い段階で成功できる人”としてカウントされたことなんてないんだ。他の選手と比べても身体が小さくて、成長が遅かったからね。でも、フィオレンティーナに残れなかった時もサッカーに対する情熱は失っていなかった。ヴィルトゥス・エンテッラに行った後は、僕を信じてくれる人と共により多くのプレイ機会を得ることができたね」

「当時について覚えているのは、カフェで父親と話した時のことさ。僕は泣いていたんだ。『ここではプレイする時間がない』と彼に言ったよ。あの時の僕はサッカーでない他のスポーツでプロを目指すことを本気で考えていたね。でも父は僕に『辞める必要はない』って言ったんだ。それからは毎週言ってくれたね。それ以来、僕がプレイをやめたことはないよ」

2010年から2016年まで在籍したフィオレンティーナの下部組織でひどい扱いを受けたと、かねてより明かしていたザニオーロ。当時はサッカーを辞める道を本気で考えるほどに思い詰めていたようだ。しかし、そんなザニオーロを救ったのは現在同選手の代理人を務める父だった。かつてジェノアなどでプレイしたイゴール氏は息子の才能を信じていたのだろう。

ザニオーロをサッカーに繋ぎ止めた父の言葉。20歳となった息子はローマの地で、そのアドバイスが間違っていなかったことを証明している。

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