移籍決まったローマの“愛すべき主将” 悲しき別れに後輩MFは何を思う

バレンシアへのレンタルが決まったフロレンツィ photo/Getty Images

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「簡単なことではなかった」

偉大な主将の系譜を継ぐ男がしばらくの間“永遠の都”を離れることとなった。現地時間30日、ASローマはMFアレッサンドロ・フロレンツィが半年間のレンタルでバレンシアへ移籍することを発表した。

フランチェスコ・トッティやダニエレ・デ・ロッシの後継者として、今季からローマの主将に就任したフロレンツィ。開幕当初、この男は間違いなく右SBのレギュラーとしてピッチ上で頼もしい姿を見せていた。しかし、チームに怪我人が続出したことや自身のインフルエンザ発症などで徐々に出場機会が減少。若手の台頭もあり、今季は苦しい立場に置かれていた。

そんな厳しい現状もあり、この移籍を予想していた人も多かったことだろう。しかし、多くのロマニスタにとってこの知らせは聞きたくないものだったはず。なにしろフロレンツィは下部組織時代からローマで育ち、トッティやデ・ロッシといった名手の次を担うバンディエラとして愛されていた。特に今季は正式に主将に就任した最初のシーズン。現在腕章を託されているエディン・ジェコも素晴らしいリーダーシップを持った選手だが、やはり多くのファンは“ローマ育ちの男”にキャプテンマークを任せたかったのではないだろうか。
シーズン中にはジェコ自身も「彼こそが本当のキャプテンだ」と発言していたほどに、同僚からもそのパーソナリティを評価されていたフロレンツィ。ローマの人々にとってはこれ以上なく辛い別れとなったことは間違いない。そして、それは同じローマ出身であるMFロレンツォ・ペッレグリーニも同様だ。伊『Gazzetta dello Sport』によると、同選手はこの主将のレンタルに関して次のようにコメントしている。

「別れの挨拶をするのは悲しかったよ。友人や兄弟と離れ離れになるのはとても複雑な気持ちだ。簡単なことではなかったね。フロレンツィは並外れたキャプテンだった。常に笑顔でその場に即した言葉をくれる。彼の苦しみは理解していたよ。今の僕たちはキャンディーを取り上げられた子供のようだね」

今回のフロレンツィの移籍は買取義務もオプションもないレンタル移籍だが、ペッレグリーニのこの反応を見る限りは来夏放出前提での取引ということも考えられるか。移籍成立直前には、現地メディアによってクラブとフロレンツィ双方が完全移籍を望んでいるとも報じられていた。

夢半ばでローマを離れることとなってしまったフロレンツィだが、はたして彼がまたスタディオ・オリンピコで輝くことはあるのだろうか。ひとまずはこの悔しさを胸にスペインの地で大暴れといきたいところだ。

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