大きな期待を背負って今冬インテルにやって来た欧州屈指の司令塔だが、新天地に馴染むまでは時間がかかるか。冬の移籍市場でトッテナムから加入したMFクリスティアン・エリクセンのプレイタイムがなかなか伸びてこない。
加入から間もないリーグ戦第22節のウディネーゼ戦こそ移籍後初スタメンを飾ったエリクセンだが、以降は現在まで途中出場の日々が続いている。ここまで新天地で5試合に出場しているが、スタメンに名を連ねたのはその1回のみ。鳴り物入りで加入しただけに、そろそろフル回転の活躍を披露してほしいところだろう。しかし、アントニオ・コンテ監督はこのデンマーク代表MFをなかなかスタメンに選ばない。
一体なぜか。実力不足というわけではないだろう。この司令塔は試合途中から投入されても、その鮮やかな足技でインテルの中盤に違いをもたらしている。となると、原因として考えられるのは戦術との相性だろう。クラブOBのジュゼッペ・ベルゴミ氏もエリクセンがなかなか起用されない理由は、今季インテルが採用しているシステムにあると主張している。伊『Sky Sport』に対して、同氏は次のように語った。
「エリクセンは優れたクオリティを持った選手だよ。独特のリズムを持っているし、素晴らしいターンでボールをキープすることもできる。他の選手とは一線を画す存在だね。ただ、[3-5-2]で起用するとなれば、非常に使いどころの難しい選手だと思う。コンテはまず第一に勝利のことを考えているはずだ。だから、彼のことをなかなかスタメンで使わないんだろう」
インサイドハーフとしてプレイすることも可能なエリクセンだが、やはり彼の良さが一番出るのはトップ下を任された時。そのポジションがない[3-5-2]では、他の選手の優先度の方がどうしても高くなってしまうとベルゴミ氏は分析している。
試合に出れば違いを生み出してくれる存在だけに、デンマーク代表MFの起用法に関してはコンテ監督も頭を悩ませていることだろう。エリクセンもこれから慣れてくる部分はあるだろうが、スタメンに固定されるのは徐々に慣らし運転をしてからか。実力に疑いの余地はないが、欧州屈指の司令塔がフル回転の活躍を披露するのはもう少し先となるかもしれない。
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