セリエBの選手、“コロナの恐怖”で出場を拒否 代理人が明かした本当の理由

キエーヴォ戦への出場を拒否したドラツィオ photo/Getty Images

愛する家族を守るために

大勢のファンが見つめるピッチで、勇敢な姿を見せるサッカー選手だってひとりの人間だ。一般の人々と同じように、“未知の脅威”に怯えることだってあるだろう。その脅威が愛する家族にまで及ぶ可能性があるのならば尚更だ。

世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス。ヨーロッパでは特にイタリアで深刻な問題となっており、感染者数は9000名を超え、死者数も450名以上となっている。その影響はサッカー界にも大きく及んでおり、試合が延期されたり、無観客での開催が余儀なくされている状況だ。そんな中、セリエBでとある出来事が起こった。

伊『la Repubblica』などによると、現在19位に低迷しているコゼンツァに所属するDFトンマーゾ・ドラツィオとMFミルコ・ブルッチーニの2選手が新型コロナウイルスへの恐怖で、9日にアウェイで行われたキエーヴォ戦への出場を拒否していたようだ。この試合は無観客で開催されることになっていたが、イタリアの中でも危険なエリアのひとつとされているヴェローナへ移動しなければならないため、この2選手は飛行機への搭乗を拒否したという。

ただ、招集拒否に関して彼らなりの理由があった。伊『GINLUCA DIMARZUO』が、ドラツィオの代理人を務めるカルロ・ディ・レンツォ氏のコメントを伝えている。同代理人は今回の経緯について「トンマーゾは数ヶ月前に初めてパパになり、彼は家族を守りたかった。自身の健康と赤ちゃんの健康を危険にさらしたくなかったんだ。技術的な選択ではないし、彼はベストコンディションではなくても、コゼンツァのために常に全てを捧げてきたんだからね。彼は危険な地域への遠征に参加しないことを望んでいる。彼には家族と小さな子供がいる。理由はこれだけだ」などと説明した。

ただ、コゼンツァはこの2選手に対して適切な処分を下す方針でおり、いくつかの伊メディアは罰金と長期出場停止の処分が科される可能性があると取り上げている。

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