注目すべきはパス能力だけじゃない ブンデスで“6.4km”もボールを運ぶCB

今季途中からCBとしてプレイしているアラバ photo/Getty Images

トップクラスの攻撃性能

近年のサッカー界においてはセンターバックの選手にもビルドアップ能力が求められるようになっており、基本的な仕事である守備以外にも攻撃の開始地点として様々な役割を任されるようになった。こうした風潮からも、パスセンスに優れた同ポジションの選手というのはこれからも増えていくのだろう。

しかし、ビルドアップに必要な能力として注目されるべきはそのパスセンスだけではない。相手からのプレッシャーがかからない場面において、いかにドリブルでボールを前進させることができるか。これも次世代のCBが備えるべき重要なスキルと言える。

では、今季ここまでのブンデスリーガで最もドリブルでボールを前進させているCBは誰か。それは2019-20シーズンに同ポジションへコンバートしたばかりの選手だ。バイエルン・ミュンヘンの最終ラインを支えるオーストリア代表DFダビド・アラバである。

今季最終ラインに怪我人が続出した影響を受けて、シーズン途中からCBとしての出場数を伸ばしているアラバ。相手のマークを剥がしてから前線にパスを供給できる彼は、今やバイエルンのビルドアップになくてはならない存在だ。

そんなアラバが今季ブンデスにおいて、ドリブルでボールを運んだ距離は驚異の6.4km。データサイト『Opta』によると、これは他のポジションも含めて2019-20シーズンに同リーグでプレイしている選手の中で最長だという。なお、2位はRBライプツィヒに所属するDFダヨ・ウパメカノの5.8km。ウパメカノの数字も優秀だが、アラバはそれに600mもの差をつけてトップに立っている。自陣ゴールラインから敵陣ゴールラインまでの距離を105m(欧州トップクラブ本拠地の一般的なタッチラインの長さ)と仮定した場合、アラバはウパメカノよりも3往復弱の距離をリードしていることとなる。これはかなりの差と言えるのではないだろうか。

パス能力だけでなく、ボールを前進させる能力にも優れたアラバ。次にCBとしてプレイする彼の姿を見る際には、そのドリブルにも注目してみるとまた違った楽しみ方ができるだろう。

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