意外とオファーが来なかった ブラジルで覚醒した男の“移籍市場裏話”

昨季ブラジルで鮮烈なパフォーマンスを披露したガビゴル photo/Getty Images

「ドイツ2クラブとイングランド1クラブだけ」

昨季ブラジルで大爆発したストライカー。そう聞けば多くの人はフラメンゴに所属する“ガビゴル”ことFWガブリエウ・バルボサを思い浮かべることだろう。2016年夏に初上陸を果たした欧州でこそ成功を掴む事は叶わなかったが、レンタルで舞い戻った母国の地でこのアタッカーは覚醒した。2019シーズンは公式戦41試合に出場し34ゴール11アシスト。同シーズンにコパ・リベルタドーレスを制したチームの中心は、間違いなくこの男だったと言っていい。

そんなブラジルで大復活を遂げたガビゴル。この活躍を受けて、今冬には再びの欧州挑戦も噂された。母国でゴールの奪い方を思い出した彼が欧州でどれほど活躍できるか、楽しみにしていた人も多かったことだろう。しかし、最終的に彼はインテルから完全移籍という形でフラメンゴに残留。ブラジルでの挑戦を続けることとなった。

だが、あれほど世界中にインパクトを与えたガビゴルはなぜブラジルに留まったのか。本人も欧州再挑戦に対する意欲を覗かせるコメントを発していただけに、疑問に思った人も多いはずだ。しかし、その理由はとてもシンプルなもので、ガビゴルの望んでいたレベルのクラブからオファーが届かなかったのだという。彼の代理人を務めるジュニオール・ペドロソ氏は今冬の移籍市場をYouTubeチャンネル『Canal do Nicola』で次のように振り返る。

「(昨季の)ガブリエウは素晴らしい状態だった。間違いなく数々の偉大なクラブから注目を集めたと思うよ。だが、オファーを出してきたのはドイツの2クラブとイングランドの1クラブだけだったんだ。チェルシーや他の数クラブとも話し合いを行ったんだけど、実際にプレミアで申し出があったのはウェストハムだけだったね。だから1月の段階で彼に最適なクラブはフラメンゴだと判断したんだ。ガブリエウが成長を続けるには最高な場所だったね」

興味を持ったクラブこそいくつかあったが、最終的にオファーを提示したのは3クラブのみだったとペドロソ氏は語っている。いくらブラジルで結果を出そうとも、欧州で一度失敗してしまった経歴というのは予想以上にマイナス要素だったか。ガビゴルはまだ23歳のプレイヤーだが、欧州での評価はいまだ厳しいままのようだ。

いくら母国へ舞い戻って活躍しようとも、一度の失敗がキャリアの足枷となってしまう厳しい世界。しかし、ガビゴルはこれにめげず、ブラジルでこれからも得点を量産してほしいところだ。

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