“ローマの象徴”誕生秘話 名将カペッロが下した1つの決断

かつてローマにスクデットをもたらしたカペッロ氏 photo/Getty Images

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実績のあるスターよりも期待の若手

これまで数々の名門クラブを率いてきたイタリアの名将ファビオ・カペッロ氏が、ASローマ時代のとある出来事を振り返っている。

カペッロ氏はACミランやレアル・マドリードを経て、1999年に現役時代にも過ごした古巣ローマの指揮官に就任した。1年目は思うような結果を残すことができず、6位でフィニッシュ。しかし、勝負の2年目となった2000-01シーズンは序盤戦から好調を維持し、ローマとしては18年ぶりとなるリーグ優勝を成し遂げた。同クラブに“最後のスクデット”をもたらした名将だ。

そんなカペッロ氏が伊『Corriere dello Sport』のインタビューに応じた際、ローマ時代のことを「私は(ユヴェントスのエドガー・)ダービッツをローマへ連れて来ようとした。ただ、ユーヴェは契約内容の一部として、(ダニエレ・)デ・ロッシを要求してきたんだ。だから、私はノーと答えたよ。彼をデビューさせたあと、私はこの選手をローマから移籍させるつもりはないと他のクラブへ警告してきた。彼は最初の最初から真のリーダーとしての素質を示していたからね」と明かしたのだ。
カペッロ氏は、当時セリエAでトップクラスの選手として活躍し、オランダ代表の一員としてもプレイしていたダービッツよりも、プロデビューしたばかりのデ・ロッシを選択。すでに実績を残しているスターではなく、自身が才能を見抜いた期待の若手の将来にかけたようだ。

結果論ではあるが、カペッロ氏のこの決断は正解だったのではないだろうか。その後、デ・ロッシは着実に力をつけ、セリエAを代表する選手にまで成長。今年1月に現役を引退したが、昨夏にボカ・ジュニアーズへ移籍するまで18年間に渡ってローマでプレイし、同クラブでの通算出場数は「600」を超えている。もしあの時カペッロ氏がデ・ロッシを手放していたら、長年ファンから愛されたローマの象徴は誕生していなかった。

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