レアルの“嫌われ者”が語るブーイングの苦しみ 「そのせいで今も僕は……」

レアルで苦しい時間を過ごしているベイル photo/Getty Images

「疑問しかないね。理解できないよ」

やはり、スタジアムに詰めかけた大観衆はピッチ上の選手にかなり影響を与える存在なようだ。ポジティブな声援は選手に勇気を与え、一方で悪いプレイが目立つ選手にブーイングを浴びせれば動きはさらに鈍る。当然のようにも思えるが、スタジアムに足を運んだことのある人であればその意味をより深く理解できることだろう。何千何万もの人の声というのは、なかなかに大きいものだということを。

レアル・マドリードの選手ともなると、そのサポーターから受けるプレッシャーも半端なものではない。ホームスタジアムであるサンティアゴ・ベルナベウの収容人数は8万1044人。それだけの人々から一斉にブーイングを受けるなど、並みの選手には耐えることができないだろう。しかし、今のレアルにはそんな立場にある選手が一人いる。ウェールズ代表FWガレス・ベイルだ。

度重なる負傷による稼働率の低さやピッチ外の問題により、今やレアルで誰よりも“嫌われ者”となってしまったベイル。ピッチで少し悪いプレイをすればスタンド全体からブーイングなんてことも、彼に限っては昨今珍しいことではなくなってきた。

ベイルは今季もなかなか良いところがない photo/Getty Images

そんな“白い巨人”で逆境に立たされているベイルだが、本人もこの状況にはかなりマイナスの感情を抱いているようだ。選手に浴びせられるブーイングについて、ベイルはYouTubeチャンネル『Erik Anders Lang』へ次のように語っている。

「僕には全ての試合で多くのプレッシャーがかかっているよ。厳しい視線を向けられるからね。うまくプレイできない時は8万人のサポーターからブーイングを受けるんだ。素晴らしいことではないね。何度かしか経験したことはないけれど、初めての時は『なんだこれ?』って思ったよ。良いことではないし、あれは選手から自信を奪うものだ。疑問しかないね。理解できないよ」

「ピッチで選手はうまくいっていない時、サポーターは彼らを後ろから支えてほしいよ。そうでなければその選手のプレイはさらに悪化し、混乱はより深まるだろう。簡単なゴールのチャンスを逃せば、その次にはすぐブーイング。そのせいで今も僕はモチベーションを奪われているよ」

ブーイングが選手に大きな影響を与えることを自覚してほしいと訴えたベイル。はたして、この難しい時期をこのウェールズ代表FWは切り抜けることができるのだろうか。もう一度レアルで輝く怪物レフティーの姿を見たい人も多いはずだが、スタジアムの雰囲気が今のままではそれも少し難しいかもしれない。

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