バルサでならここまで成長しなかった イタリアで伸びる“7500万ユーロ”の男

ユヴェントスのデ・リフト photo/Getty Images

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アヤックス元分析官が主張

移籍当初の開幕直後には、セリエAのサッカーに慣れていないこともあってその評価安定しなかったユヴェントスのオランダ代表DFマタイス・デ・リフト。7500万ユーロとも言われる巨額の移籍金でアヤックスから獲得したということもあり、そのパフォーマンスにはファンから批判の声が寄せられることもあった。

しかし、この若きセンターバックは時間を経るにつれて徐々に真価を発揮している。当初散見されたイージーミスを我々が目にする機会はすっかり減り、デ・リフトはアヤックス時代のような落ち着きを取り戻したと言っていい。少し時間こそかかったが、今ではすっかりイタリア仕様の優秀なCBとして評価を確立している。

そんなデ・リフトだが、バルセロナに移籍していればここまでの成長は見込めなかったか。アヤックスで分析官を務めていたミケーレ・サントーニ氏は、イタリア行きという選択をしたからこそデ・リフトは新たな守備の形を身についけることができたと蘭『Voetbal International』へ次のように話す。
「ディティールの部分に関して、(マウリツィオ・)サッリは王様だ。DFとして、デ・リフトにこれ以上のステップはなかったはずだよ。ステファン・デ・フライ(インテル)の成長を見てみればわかるだろう。選手がよりディフェンスを学ぶためにはイタリアへ行かなければならない。これは間違いないね。バルセロナはいつもオランダの選手をチェックしているから、オランダのトッププレイヤーは皆そこへ行く。クライフの功績があることが大きいね。でもイタリアのサッカーは変化しているんだ。以前は0-0の試合も多かったが、今では本当に面白いと言えるゲームも増えている」

ユヴェントスでデ・リフトはその守備に磨きをかけている photo/Getty Images

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「アタランタやインテルを見てみてほしい。それがディフェンシブなんて言えるかい? イタリアのサッカーが退屈だという固定概念を消し去るには、5年ほど素晴らしいサッカーを披露しなければいけないかも。それはデ・リフトも感じたと思うよ。オランダでは未だにバルセロナが最高という風潮がある。だけど、成長の場としてはイタリアの方が良いんだ。バルセロナに移籍していたら、彼はまだ1対1の守備に囚われていただろう。良い選手にはなっても、今のように成長することはなかったはずさ。今のデ・リフトは全く新しい守備を学んでいる。本物のDFになろうとしているよ」

イタリアで組織的な守備を学んだからこそ、デ・リフトは今の評価を手に入れることだできたとサントーニ氏は分析している。デ・リフト自身も移籍当初は「見る人はデュエルが好きだけど、それはどうしようもなくなった時の最終手段でしかない」と語っていただけに、チームとしての守備を学ぶにあたってユヴェントス移籍という選択は大正解だったか。

アヤックス時代には“個の力”が持て囃されるも、ユヴェントスではしっかりと地に足をつけて自分に足りないものを学んでいるデ・リフト。このまま研鑽を積めば“世界最高級CB”としての評価を確立する日もそう遠くはないか。若きDFの目線の先にあるのは、オランダ代表の同僚であるリヴァプール のフィルジル・ファン・ダイクの背中だ。

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