26日(日)にJ1第6節横浜FC×浦和が開催され、敵地に乗り込んだ浦和が2-0で勝利した。横浜FCはこれで3連敗となったが、この日も第5節川崎戦(●1-5)、第6節横浜FM戦(●0-4)と同じく、自分たちが決めるべきチャンスを決められず、そのうちに守備陣が耐えられずに失点するという展開になった。
先にチャンスを作り出したのは横浜FCで、8分に松尾佑介が左サイドをドリブルで突破し、中央の中村俊輔へパスを出す。ここから前線の斉藤光毅にスルーパスが出され、抜け出した斉藤光毅がゴール前に折り返す。このボールが浦和DFの手に当たってクリアされたが、笛は鳴らず、シュートにも至らなかった。
続く13分には佐藤謙介のパスを受けた斉藤光毅が左サイドから小気味いいステップのドリブルで2人のDFをかわし、右足シュートを放った。さらに、25分にも松尾佑介が最終ラインの裏に抜け出してラストパスを受け、フリーで左足シュートを放った。しかし、いずれもゴール枠外へ飛び、先制点にはならず。
前半の横浜FCにはさらにチャンスがあり、36分には左サイドから松尾佑介がクロスを入れ、クリアボールがファーサイドに走り込んだマギーニョのもとへ。フリーだったマギーニョが右足を思い切り振り抜いてフィニッシュしたが、ゴール前に密集していたDFに跳ね返される。しかし、このボールを中村俊輔が拾い、ふたたびマギーニョにラストパスを送る。これを受けたマギーニョが今度は冷静に右足で逆サイドを狙ったが、枠内をとらえられず、このチャンスも生かせなかった。
試合序盤を自分たちのリズムで戦い、いくつかのチャンスを作る。しかし、決めることができず、先に失点して意気消沈する──。これがここ数試合の横浜FCで、この日も後半になって52分に先制点を許し、追いかける展開になった。そして、現在の浦和は非常に守備意識が高く、1点をリードしたなら敵の出方をうかがいつつ、したたに追加点を狙うことができる。この相手に対して下平隆宏監督は68分に3枚替えを行なって攻撃にパワーを出そうと試みたが、浦和に難なく対処され、前半ほどチャンスを作り出せなかった。
「自分たちのやりたいサッカーは多少なりともできていましたが、先制点が取れませんでした。先に点がほしい試合でしたが、自分たちが取れずに、また後半にやられてしまいました。勝点3がほしかったのですごく悔しいです」(袴田裕太郎)
「この3試合は本当に、決めるべきところを決められるかという試合でした。決めることができずに、逆に守備が苦しい時間帯に失点して自分たちが思うような展開で進めることができていません。J1とJ2の違いは最後の局面だけだと思います。勝つためにはそこをどう打開するかで、“決める”という力を身につけなければいけないですが、若い選手が多く、いい意味で経験を積むことができています。チームとしても個人としても、これから成長していければいいかなと思います」(佐藤謙介)
川崎、横浜FM、浦和と対戦し、横浜FCは3連敗を喫した。どの試合でも自分たちのやりたいことをできた時間帯はあったが、チャンスを逃すことでリズムに乗り切れなかった。そうこうしているうちにミスから失点し、リードを奪われると集中力が切れ、複数失点するという流れだった。チャンスをしっかりモノにする。安易なミスをしない。失点に意気消沈せず、集中力を維持するなど、克服すべき課題が露呈した。ただ、こうした結果を受けて横浜FCがやりたいサッカーを変更し、方向転換することはない。
「よい時間帯、よいところもあるので、3連敗していますが、選手をしっかり励まして続けていきたいと思います」(下平隆宏監督)
継続は力なりである。しかし、一方で考えなしに物事を継続しても、同じ失敗を繰り返すことになる。同じ轍を踏まないためには、どうすればいいか? この3連敗から多くのことを学んだ横浜FCが、これからどう成長していくか。ひとつたしかなのは、チームとしても個人としても、間違いなく伸びしろがあるということだ。
取材・文/飯塚健司
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