バルセロナは“危険な賭け”に挑むのか クーマン指名にはリスクが伴う

バルセロナの新監督就任が有力となっているクーマン氏 photo/Getty Images

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短命政権に終わる可能性は無視できない

現地時間14日に行われたチャンピオンズリーグ準々決勝でバイエルン・ミュンヘンに衝撃の8失点を喫して敗れたバルセロナ。これに加えて今季リーガ・エスパニョーラ優勝を逃したことを受け、同クラブはシーズン途中から指揮を執っていたキケ・セティエン監督を解任。来季からは新監督に現在オランダ代表を指揮しているロナルド・クーマン氏の就任が有力となっている。

しかし、後任がクーマン氏でバルサに未来はあるのか。ファンの間ではそんな声が上がっている。これまで指揮してきたクラブで大幅な戦力の入れ替えなどを敢行しており、辣腕を振るうイメージのある同監督。これだけを見れば、近年の伸び悩みを解消したいバルサにとって同氏はうってつけの指揮官と言えるだろう。だが、その一方で彼には指揮官として決して無視できない懸念事項がある。これまで指揮してきたチームの改革がことごとく長続きしていないのだ。

これまで9つのクラブを指揮して、4度の途中解任を経験しているクーマン氏。就任2年目で調子を落とす例も多々あり、これまでのクラブ指揮官キャリアににおける平均在任期間は約18カ月。短命政権に終わる例は多いだけに、ファンが不安を感じてしまうのも無理はないだろう。
そんな中、英『90MiN』もバルサのクーマン氏招聘には否定的な見解を示している。その中で、やはり心配するのはこのオランダ人監督の改革が一時的なものに終わる可能性があるという点だ。派手なスカッド改革を決行しても、クーマン氏にはチームにそれ以上のものを積み上げる手腕がないと同メディアは次のように主張する。

「バルセロナの次期監督最有力候補はエヴァートンを2シーズン持たずして解任された人物だ。もちろん、彼らは慎重に議論を重ねてこの方針を打ち出したのだろう。しかし、クーマンがバルサにとって十分な監督であるかどうかには疑問が残る。エヴァートンでの失敗を差し引いても、実績からして彼は決して“ワールドクラスの指揮官”とは言えない。これまで9つのクラブを指揮して解任は4度。1クラブあたりの平均在任期間は約18カ月しかない」

「そんなクーマンでバルサは本当に長期的なプロジェクトを推し進める気なのだろうか? オランダ代表の困難な時期を救ったという点でその評価は回復傾向にあったが、結局のところ代表とクラブは別世界。それぞれの監督は全く異なる手腕を要求されるものだ。“バルセロナのDNA”は理解しているかもしれないが、この動きには腑に落ちない点が多すぎる」

“危険な賭け”となるクーマン氏の新指揮官指名だが、はたしてバルサはこのOBにクラブの未来を託すこととなるのだろうか。有力候補が彼しか浮上していないのも、バルサの影響力が弱まっていることを表しているのかもしれない。

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