ミランとの別れ 低迷期を支えてきたMFの胸に秘めた想いや後悔

今季限りでミラン退団が濃厚となっているボナヴェントゥーラ photo/Getty Images

「僕にはまだまだやれることがあった」

今夏の退団が濃厚となっているACミランの元イタリア代表MFジャコモ・ボナヴェントゥーラが、胸の内を明かしている。

2014年夏にミランへ加入し、6年間にわたってチームを牽引してきた現在31歳のボナヴェントゥーラ。近年低迷するチームの中で、コンスタントに結果を残してきた数少ない選手のひとりだ。昨季は序盤戦の怪我でシーズンの3分の2以上を棒に振ってしまったが、今季もリーグ戦で29試合に出場(3ゴール6アシスト)するなど、再び主力として活躍していた。

ただ、ボナヴェントゥーラとミランの契約は2019-20シーズン終了までとなっている。地元メディアなどによって契約延長交渉が行われてないことが伝えられており、移籍が噂されている状況だ。さらに、同シーズンの最終戦となったカリアリ戦後、ボナベントゥーラは選手全員がロッカールームへ下がって誰もいなくなったサン・シーロのピッチへ戻ってくると、しゃがみ込みながら人知れず涙を流していた。こういった行動から見ても、ミラン退団はほぼ間違いないだろう。

そんなボナヴェントゥーラが、伊『Gazzetta dello Sport』のインタビューに応じた。「僕にはまだまだやれることがあった」の言葉とともに次のように述べている。

「同じ監督のもとで、3〜4年間プレイできなかったのは残念だった。これは仕事に関して、統一性を与えるものだからね。常にゼロから始まり、多くの時間を浪費してしまう」

「(2018年の)膝の怪我から僕への見方が変わっていることに気づいた。手術が必要だったので、契約期間の最終戦にしか戻ることができなかったんだ。選手を信頼し、選手のことを本当に信じているクラブは、選手がピッチへ戻ってきたときに契約更新のオファーを出すだろう。僕の場合はそれが起こらなかった。明確なことはわからないけどね」

さらに、サン・シーロで見せた最後の行動についても語っている。

「あの行動は準備していたわけではないんだ。みんながピッチを離れるのを見ていたら少し時間があったので、自分のことを見返したりしていたらね。スタジアムが完全に空っぽの状態だったんだけど、とても大きく見えたよ。そして僕は膝まずいた。僕とサン・シーロだけの親密な時間だった。ここで体験したこと全てに対して、感謝を伝えたよ。ここサン・シーロでプレイすることは子供の頃からの夢だった。ミランでそれができたことは素晴らしかったと思う」

ローマやトリノなど、様々なクラブが獲得に動いていることが伝えられているが、はたしてボナヴェントゥーラはどのクラブで新シーズンを迎えることとなるのか。

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