超・万能戦士がまた新境地開拓か トップ下でも輝ける“バイエルンの心臓”

ついにトップ下まで任されるようになったキミッヒ photo/Getty Images

元SBが攻撃の中心までこなすように

この男は一体どこまでユーティリティ性能の高い選手なのか。バイエルン・ミュンヘンに所属するMFジョシュア・キミッヒがまたも新境地を拓いている。

元々はサイドバックの選手としてバイエルンにやって来た。しかし、今のキミッヒに“本職”と呼べるポジションはないのかもしれない。昨季は主に中盤の低い位置を主戦場とし、緊急事態にはセンターバックも難なくやってのけた同選手。最終的には怪我人が出た影響で元々務めていたサイドバックも担当するなど、とにかくその万能性が光った。これだけポジションを変更していては混乱しそうなものだが、キミッヒは涼しい顔でそのどれもをハイレベルにこなしてしまう。この男にできないポジションはないのか。そう思わされた人も多いだろう。

しかし、この男のポテンシャルはまだ底が知れない。現地時間31日に行われたドイツ・スーパーカップのドルトムント戦で、キミッヒはさらに新たなポジションで躍動したのだ。この試合、従来の低い位置でプレイする場面もあったが、同選手が任されたのはなんとトップ下のポジション。2018-19シーズンまではDFを主戦場としていた選手が、わずか1年ほどで攻撃の要となるポジションを任されるようになったのである。キミッヒの能力を考えれば決してあり得ない話ではなかったが、いざ実現してみるとその衝撃は凄まじい。

加えて、このドルトムント戦でキミッヒは決勝点も奪う大活躍。バイエルン攻撃陣を牽引し、データサイト『WhoScored』からチームトップの評価点「8.1」を与えられ見事この試合におけるマン・オブ・ザ・マッチに選ばれている。ただ単に与えられたポジションで役割をこなすだけでなく、きちんとその場所でチームに違いをもたらす存在。まさに“超・万能戦士”の称号がふさわしいか。

そんなキミッヒにはハンジ・フリック監督も全幅の信頼を置いている。試合後、同監督はトップ下としても最高級のパフォーマンスを披露した彼に対して、次のように称賛の言葉を送っている。独『SportBuzzer』が伝えた。

「ただただ素晴らしい選手としか言いようがないよ。私の知る限り、彼のメンタリティは他の選手と違う。キミッヒは特別なクオリティを備えている。本当にこのチームを象徴するような選手になっているよ」

今季はMFチアゴ・アルカンタラが抜けたこともあり、バイエルンの中でよりその重要度が増したといえるキミッヒ。背番号も「6」と改めたが、はたして彼はどこまで成長を続けていくのだろうか。“バイエルンの心臓”には2020-21シーズンも大車輪の活躍が求められる。

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