シメオネを悩ます“アンタッチャブル”な中盤 鉄板チョイスは変えられないのか

今季はアトレティコの攻撃を停滞させてしまう場面が目立つサウール photo/Getty Images

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中盤で停滞する攻撃

アトレティコ・マドリードの調子がなかなか上がらない。今季チームの初陣となったリーグ戦第3節のグラナダ戦こそ6-1で快勝し幸先良いスタートを切った同クラブだが、その後の2試合は続けてスコアレスドロー。とにかく点が取れなくなっている。

まだ負けてこそいないが、引き分けた相手も気になるところだ。アトレティコが得点を奪えずに痛み分けとなったのは、昇格組のウエスカとウナイ・エメリ監督の下で早くも暗雲が立ち込めているビジャレアル。どちらも本来であれば大勝を収めてもおかしくはない相手と言えるはずだ。それだけに、現在アトレティコの状態を心配している人は決して少なくないだろう。

一体なぜ、スペイン“3強”の一角はここまでゴールが奪えなくなってしまったのか。スペイン『as』はその理由を考察しているが、最大の要因は中盤にあるか。同メディアはこれまでディエゴ・シメオネ監督にとって鉄板のチョイスだった中盤戦士の不調がアトレティコの攻撃を停滞させていると分析。しかし同時に、彼がいなければこのチームは方向性を見失うとの可能性も示しつつ、次のように綴っている。
「シメオネは今、最高のサウールを必要としている。このMFはシーズンをうまくスタートさせることができていない。しかし、チョロ(シメオネ)にとって、彼は単なる中盤の選手ではない。まだ25歳と若いものの、サウールはアトレティコで替えのきかない存在となっている。彼の復活はシメオネにとって不可欠なものだ」

「サウールは間違いなくグループのリーダー的存在だ。万能プレイヤーはこれまでライバルクラブの監督や選手からでさえも高い評価を得てきた。常に移籍の噂もつきまとったが、毎年彼はクラブに残っている。それだけに、シメオネはサウールを無下にできない。彼はすぐにでもトップフォームを再発見する必要がある。アトレティコが息を吹き返すには、サウールの復活が不可欠だ」

これまでチームを支えてきたMFサウール・ニゲスのパフォーマンスこそが、アトレティコ不調の原因と『as』。たしかにアトレティコのカウンター時、彼のところで流れが途切れるというシーンは今季何度か見かける。中盤でコンビを組むコケと共に、ボール保持時の選択が多くの場合で横パスという印象は強い。

しかし、彼らはこれまでシメオネ監督の理想とするサッカーを中心として体現してきた選手だ。調子が芳しくないからといって、指揮官もそう簡単には代えづらいはず。アトレティコを悩ませるアンタッチャブルな中盤戦士の起用法。今後復調してくれればそれが最高の解決策となるのだが、はたしてサウールやコケといった選手はこの先トップフォームを再発見することができるのか。切れ味鋭い必殺カウンターがまた炸裂する時をファンは待ちわびている。

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