[MIXゾーン]7試合ぶり勝利のベルマーレ 掴みつつある“新たな攻撃の形”

ウイングバックの岡本(6番)や最前線の石原直樹(13番)を中心に、質の高い遅攻を披露した photo/Getty Images

右サイドを起点に華麗なパスワーク

明治安田生命J1リーグの第23節が18日に行われ、同リーグ最下位の湘南ベルマーレが柏レイソルに3-2で勝利した。ベルマーレはこの勝利で、リーグ戦での連敗を“6”で止めている。

レイソル戦開始前の段階で今季のリーグ戦計15ゴールと、深刻な得点力不足に喘いでいたベルマーレだが、この日は[3-1-4-2]という布陣の右ウイングバックで起用された岡本拓也や最前線の石原直樹、及び右インサイドハーフの茨田陽生(後半17分より松田天馬)によるトライアングルを中心に華麗なパスワークを披露。前半3分すぎに敵陣右サイドへ走った石原が岡本からのスローインのボールを受けると、この直後に石原からのパスを受けた茨田がワンタッチでペナルティエリア内へボールを送り、フィニッシュを託された岡本が先制ゴールを挙げた。

1-2とリードされて迎えた後半32分すぎにも石原が敵陣右サイドへ流れ、同サイドを駆け上がった岡本へパスを供給。この直後に岡本が上げたクロスが松田のボレーシュートによる同点ゴールに繋がると、同35分すぎには松田からのパスを受けた岡本が右サイドからまたしても正確なクロスを送り込み、ペナルティエリア内へ走っていた石原がヘディングで決勝ゴールを挙げた。

石原は試合後に行われたオンライン会見で、『theWORLD』の質問に回答。自身や岡本、及び茨田や松田との連係について語ってくれた。

ーー石原選手がサイドに流れることで、右ウイングバックの岡本選手や右インサイドハーフの茨田選手(後半途中より松田選手)と良い連係を構築できていたように見えました。このトライアングルに対する手応えはいかがでしょうか。


「今日に関しては、みんな(トライアングル)が良い距離感を保てていたと思います。(誰かが)空けたスペースに(別の)人が入ったり、足下だけでなく裏(相手最終ラインの背後)を狙ったりと、攻撃にバリエーションがありました」


ーー遅攻のクオリティが上がったことは、今後に向けて明るい材料ですね。


「遅攻と言っても、『カウンターが出来ない時にボールを大事にする』という話なので、カウンターが出来そうな場面ではそれを(優先)すべきだと思います。カウンターが出来ない時にどうすべきかを、(これからも)みんなで考えていかないとダメだなと思います」

十八番のカウンターを封じられた際の攻め手に乏しく、相手にボールを“持たされる”展開を苦手としていたベルマーレ。今節では遅攻の際に2トップの一方がサイドに流れて相手の最終ラインの選手を引きつけ、このことによって生まれる敵陣ゴール前中央のスペースにウイングバックやインサイドハーフが走り込むという約束事が徹底されていた。これまで縦に速い攻撃に特化した印象が強かった同クラブが、長きにわたる試行錯誤の末に新たな“攻撃の形”を掴みつつある。

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