意外な伏兵が沈めた豪快ゴール マンU守備職人の強烈ミドルには同僚も驚いた

ニューカッスル戦で鮮やかなゴールを決めたワン・ビサカ photo/Getty Images

守備型からパーフェクトSBへ

赤い悪魔の思わぬ伏兵が沈めた一発に、驚いた人は少なくなかった事だろう。現地時間17日に行われたプレミアリーグ第5節のニューカッスル戦で、マンチェスター・ユナイテッドの守備職人が豪快なゴールを決めてみせた。

その守備職人とは、右サイドバックのイングランド代表DFアーロン・ワン・ビサカだ。昨夏にマンUへ加入してからというもの、タックルをはじめとするそのディフェンス力の高さに注目が集まっていた同選手。その一方で攻撃力に関しては平凡との評価を与えられることも多く、今後の課題とされていた。しかし、この一発でワン・ビサカは自身のオフェンス面が改善されつつあることを証明したか。ニューカッスル戦にて、彼は果敢な攻撃参加から圧巻のゴールを奪っている。

その得点が生まれたのは、マンUが2-1とリードして迎えた終了間際の90分だった。ワン・ビサカはハーフラインを付近の右サイドでボールを保持すると、中央に向かってドリブルを開始する。タイミングを見計らって前線のFWマーカス・ラッシュフォードにいったんボールを預け、自分はその後素早く縦へとスプリント。走り込んだところにラッシュフォードからのリターンを受けると、スピードを落とさぬままPA内に侵入しそのまま豪快なシュートをニアサイドに突き刺した。まさに流れるような一撃。本当に彼は攻撃が課題とされていた選手なのか。そう思うほどにワン・ビサカの一連の動作は洗練されていた。

普段の彼であればクロスを選択してもおかしくはなかった。そういった点も含めて、このゴールはサプライズだったと言えるだろう。そして、このワン・ビサカの一発に度肝を抜かれたのは、決してファンだけでなかったようだ。その瞬間、同じピッチに立っていたMFブルーノ・フェルナンデスも、まさか彼がシュートを打つとは予想していなかったという。

「あの場面でアーロンがシュートを打つなんて、予想していなかったよ。見たことがなかったから、想像するのは難しかった。でも、結果的には決めてくれてとても嬉しかったね。試合後はロッカールームでも話題になったんだ。誰もがクロスを入れると考えていたから、なぜシュートを打ったのかみんなで彼に質問したね」

「でも、アーロンのゴールにはみんな満足だ。彼はそれを決めるに相応しかった。彼は素晴らしいクオリティを備えているし、もっと前向きに、そしてボックスの中でプレイする機会を増やしてくれたらと思っているよ。ディフェンシブなプレイヤーであることは理解しているけれど、今後のアーロンはそれ以上のものを示さなければいけないと思うね」

『MUTV』のインタビューにて、B・フェルナンデスはこのように語っている。やはり、ワン・ビサカの華麗なゴールはチームメイトにも相当な衝撃を与えたようだ。攻撃面でも一皮むけつつあるマンUの22歳は、守備型からなんでもできるパーフェクトSBへと進化を遂げようとしている。

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