イタリアの絶対王者が6試合でまだ“2勝” もう噴出し始めたピルロ解任論

今季からユヴェントスの指揮を執るも、ピルロ監督の立場はすでに危ういか photo/Getty Images

「サッリの方がマシ」なんて声も

たしかに新米監督が取り組もうとしているサッカーは面白いものだった。しかし、なかなか結果が出ない。今季からユヴェントスを指揮するアンドレア・ピルロ監督に、早くも逆風が吹き始めている。

就任から公式戦6試合を戦って2勝3分1敗(試合未開催で勝利のナポリ戦を除く)。昨季までセリエAで9連覇を果たしている“イタリアの絶対王者”を率いてこの成績というのは、なかなかに厳しい数字と言えるだろう。まだチーム作りの段階ではあるものの、そろそろ勝ち始めなければ手遅れになる可能性は低くない。前人未到のセリエA10連覇、さらには悲願のチャンピオンズリーグ優勝を目指すにあたり、ピルロ監督にもうこれ以上の取りこぼしは許されないと言っていいだろう。

しかし、そんな厳しい状況に追い込まれている中でも、ユヴェントスにはかなり心配な点がまだいくつか残されている。特に攻撃の形が見えてこない問題は深刻で、現地時間28日に行われたCL・バルセロナ戦でも彼らの前線は沈黙。FWアルバロ・モラタが3度ゴールネットを揺らすシーンもあったが、その全てがオフサイドの判定を受け、結果的には完封負けを喫することとなってしまった。シュート10本を放ちながらも、記録の上でそのうち枠内に飛んだものは“ゼロ”。エースであるFWクリスティアーノ・ロナウドの不在も痛かったが、チーム全体としてユヴェントスは崩しの形を持っていなかった。

そんな現状を受けて、現地ではついにピルロ解任論が浮上し始めたと伊『calciomercato』が伝えている。同メディアによると、一部ファンは攻撃の形が見えてこないピルロ監督よりも、昨季までチームに率いたマウリツィオ・サッリ前監督の方がいくらかマシだったとSNS上で意見を述べているようだ。

「サッリの方が良かったんじゃないか?」

「ピルロより攻撃の形が明確だった分、サッリの方が優れていたと思えてしまう」

「自分の形にこだわるサッリだけど、ピルロのように何も見えてこないよりはマシだったね」

「ピルロを無下にはしてほしくないが、いくらなんでもユーヴェの監督は早すぎた」

負けの数こそ少ないが、とにかく勝てない今のユヴェントス。はたして、ピルロ監督はこの状況を今後どのように打破していくこととなるのだろうか。目指す理想こそ非常に興味深いものとなりそうな同監督のサッカーだが、完成形に至るまでの過程はなかなか険しいものとなる予感。あまり周囲に我慢を強いるようであれば、シーズン途中の解任も可能性としては決して低くはない。

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