リヴァプールの最終ラインに新たな解決策 23歳DFは救世主となれるのか

ウェストハム戦でプレミアデビューを果たしたフィリップス photo/Getty Images

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プレミアデビュー戦で奮闘

現在、守備の要であるフィルジル・ファン・ダイク、そして彼の代役を務めていたファビーニョが負傷による離脱に見舞われているリヴァプール。この緊急事態の中、昨季プレミア王者は誰を最終ラインに据えるのか。現地時間31日に行われたリーグ戦第7節のウェストハム戦を前に、これは周囲で盛んに議論されていた。

その中で、英『Daily Mail』など多くの現地メディアが先発に予想していたのは19歳のリース・ウィリアムズだ。まだ経験は浅くとも、今季何度かトップチームの試合に出場している注目株。急成長の可能性もあるだけに、ユルゲン・クロップ監督は期待を込めてスタートから起用するのではないか。そういった見方も強かった。しかし、実際にウェストハム戦でスタメンに抜擢されたのは少し意外な男。23歳のナサニエル・フィリップスである。

クロップ監督がフィリップスを先発として選んだことに驚いた人は少なくないだろう。2019-20シーズンにFA杯エヴァートン戦でデビューを済ませているとはいえ、トップチームにおける出場はその1試合のみ。今季は開幕からまだ出番が一度もなかった選手だ。サプライズ感は否めなかったと言っていい。
しかし、蓋を開けてみればフィリップスはウェストハム戦で奮闘。ラインコントロールやビルドアップの局面で不慣れな面も垣間見えたが、持ち前のフィジカルを武器に最後までチームの守備を支えた。そんな彼には、データサイト『WhoScored』もトレント・アレクサンダー・アーノルドと並んで最終ライントップタイとなる評価点「6.9」を与えている。これがプレミアデビュー戦だったといえことも考えれば、十分に称賛されるべきパフォーマンスだったはずだ。

突然巡ってきたチャンスをモノにしたと言っていいフィリップス。かなり予想外なチョイスだったが、クロップ監督はなぜ彼の起用に踏み切ったのか。指揮官はその理由を次のように語っている。

「ナット(フィリップス)は現状チームにいる代役候補の中で最も経験豊富だ。トレーニングから非常に状態の良さも見て取れたし、彼はチャレンジャーなんだよ。1対1の状況を得意としているし、空中戦も強いから彼を選んだのさ」

周囲から見ればサプライズだったかもしれないが、クロップ監督の頭の中にはフィリップスの奮闘に関してある程度の確信があった様子。さすがは世界的な名将と言われる指揮官だ。

クロップ監督が新たに見出した最終ラインの解決策。このパフォーマンスを継続できれば、今後もフィリップスに出場機会は与えられることだろう。緊急事態でこそあるものの、リヴァプールにまた面白い存在が出現している。

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