もうマルセロはレアルに必要ないのか 超攻撃的SBだった男に吹く逆風

1-4の敗戦を喫したバレンシア戦で低調なパフォーマンスに終始したマルセロ photo/Getty Images

自慢の攻撃力にも翳りが

もうレアル・マドリードに超攻撃的サイドバックの居場所はないのか。近年における“白い巨人”の成功を支えてきたブラジル代表DFマルセロだが、そろそろレアルとの別れが近づいているのかもしれない。

かつては超攻撃的なスタイルで一世を風靡したマルセロ。しかし、現在のレアルにおいて彼の立場はかなり厳しいものとなっている。昨季から左SBの定位置争いにおいては、フランス代表DFフェルランド・メンディの後塵を拝している状況。以前よりも守備に重きを置くスタイルへと移行したチームのなかで、ディフェンス面に不安が残るマルセロは完全に浮いた存在になってしまったと言っていい。

その上、最近のマルセロは最大の強みだったはずの攻撃面でも精彩を欠いている。現地時間8日に行われたリーガ・エスパニョーラ第9節のバレンシア戦に先発フル出場を果たした同選手だが、そのパフォーマンスは終始低調。23分にFWカリム・ベンゼマの先制点をアシストこそしたものの、攻撃の局面において明確な違いを作り出すことはできなかった。加えて、52分には痛恨のPK献上。試合後、軽い守備も散見されたブラジル代表DFにはデータサイト『WhoScored』も「5.9」という厳しい評価点を与えている。

このバレンシア戦の出来によって、さらに自身の立場を危うくしてしまったマルセロ。そんな同選手に関しては、スペイン『MARCA』も「もうレアルにマルセロは必要ないのかもしれない」との意見を寄せている。同メディアがそう主張するのは、決してバレンシア戦におけるパフォーマンスのみの問題だけでない。実は2018-19シーズン途中のジダン監督再登板以降、レアルが敗戦を喫した試合には必ずマルセロが出場しているのだ。

第二次ジダン政権でマルセロが出場したのは計28試合で、その戦績は16勝3分9敗。一方でマルセロが出場しなかった試合の戦績は29試合で20勝9分となっている。もちろん敗戦の責任が全て彼にあるわけではないが、これが少し気になるデータであるのは間違いない。

レアルをの左サイドを長年支えた功労者ではあるものの、現時点でチームの戦力になっているかは微妙なマルセロ。超攻撃的SBが再び輝く日を待ちわびているファンも多いだろうが、今後“白い巨人”で彼が復活を遂げることは難しいのか。レアルとの現行契約は2022年6月まで残っている同選手だが、この調子が続くようであれば今冬ないし来夏移籍市場における放出は免れないかもしれない。

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