久保建英は“D・シルバの領域”も目指せる サムライはいずれワールドクラスへ

今季はビジャレアルでプレイしている久保 photo/Getty Images

指揮官が重ねる元教え子の姿

日本代表MF久保建英の才能は“魔法の左足”を持つスペインのテクニシャンにも匹敵するするのか。まだ19歳のサムライが秘める可能性は無限大。それは今季のレンタル先であるビジャレアルの指揮官も十分に理解しているようだ。

昨季は18歳ながらマジョルカで堂々たるプレイぶりを披露し、リーガ ・エスパニョーラを戦ったクラブの攻撃陣で中心的な役割を担った久保。チームを1部残留に導くことこそ叶わなかったが、36試合の出場で4ゴール5アシストという成績は称賛に値するものだったと言えるだろう。その活躍が評価され、2020-21シーズンは名門ビジャレアルでプレイする権利を勝ち取った。ここまでリーグ戦での出場機会は限られているが、ヨーロッパリーグでは3試合ですでに1ゴール3アシストを記録。徐々にチーム内での存在感を強めている。

この調子を継続できるならば、リーグ戦でのプレイタイムも伸びてくるはず。現地ではウナイ・エメリ監督へ疑問の声も出てきている状況で、先日はスペイン『Defenca Central』もこの日本代表MFをなかなか起用しない指揮官に対して「久保に対する侮辱行為。容認することはできない」と痛烈な言葉をぶつけている。ほかにも、SNS上では「なぜクボを使わない」といった声が一部ビジャレアルファンから上がっているのが現状だ。

しかし、エメリ監督も久保のことを評価していないわけではない。スペイン『Cadena SER』の番組に登場した同監督は、そのインタビュー内で日本代表MFについて言及。久保はダビド・シルバ(レアル・ソシエダ)と似た特徴を持っていると次のように語っている。

「久保のポテンシャルを予測するのは難しいが、彼は私がバレンシアを指導していた頃のダビド・シルバと似た特徴を持っているよ。ライン間で上手にプレイし、スピードに乗ってボールを扱うこともできる。まだ成長し続ける必要はあるけどね。しかし、私は彼に満足している。フェル・ニーニョや(アレハンドロ・)バエナのような選手と同様にね」

長くマンチェスター・シティやスペイン代表の中心を担ったD・シルバ。エメリ監督は現在の久保に、この名手の若かりし頃の姿を重ねているようだ。今後順調に成長できれば、久保もそう遠くないうちに“魔法の左足”を手に入れることは可能か。

現状ビジャレアルでの出場機会は限られている久保だが、指揮官からの評価は決して低くない。はたして、日本の至宝がプレイヤーとして完成の域に到達すればどれほどの存在感を発揮することとなるのだろうか。19歳ながらインテリジェンス溢れるプレイも披露できるサムライからは、今後も目が離せない。

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