技巧派レフティーは“左利きのデ・ブライネ” チェルシーで輝く新加入MF

今夏チェルシーに加入したツィエク photo/Getty Images

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「まるで魔法のよう」

開幕こそ膝の怪我によって出遅れたものの、チェルシーで新加入のレフティーが徐々にチーム内での存在感を高めてきている。今夏アヤックスからブルーズに加入したモロッコ代表MFハキム・ツィエクが絶好調だ。前評判こそFWティモ・ヴェルナーやMFカイ・ハフェルツの方が高かったものの、このレフティーの評価は試合を重ねるごとに上昇し続けている。

ツィエクは今季ここまでは出場した公式戦8試合で2ゴール3アシスト。チャンスメイクだけでなく、自らゴールも決めることができる技巧派レフティーが入ったことで、かねてより攻撃力が自慢だったチェルシーの破壊力は一層増したと言っていい。

現地時間21日に行われたプレミアリーグ第9節のニューカッスル戦でも、ツィエクの存在感は際立っていた。9分には右サイドのクロスからFWタミー・エイブラハムの決定機を演出し、75分にもFWティモ・ヴェルナーへ鮮やかなラストパスを供給。いずれもゴールに結びつくことこそなかったが、高いキック精度を活かしてツィエクはこの試合も存在感を示すことに成功している。
そんなツィエクに関して、SNS上では「サイドこそ違うけど、次第にツィエクが(エデン・)アザールに見えてきた」なんて声も出始めてきた。これだけ攻撃に違いをもたらせる選手はそうそういないだけに、彼のプレイを見た人がそう感じるのも無理はないだろう。そんななか、かつてイングランド代表で監督を務めたスティーブ・マクラーレン氏も、彼のことを別のトッププレイヤーの姿と重ねているようだ。ツィエクについて、同氏は英『talkSPORT』へ次のように語る。

「チェルシーはオランダに素晴らしいスカウトシステムを持っている。私がトゥエンテを指揮していた計4年間で、彼らは本当に様々な選手をチェックしていたよ。本当に荒削りなダイヤモンドだとしても、彼らにとっては完璧な獲得候補だった。ツィエクはまさにその例に当てはまる。彼はストリートサッカーをしているかのようにプレイする。普通の選手とは違うから、扱い方が難しいんだ。だけど、チェルシーはそれを承知の上で彼を獲得し、活躍させてみせた。本当に素晴らしいね」

「今の彼は左利きの(ケビン・)デ・ブライネと言える。まるでピッチ上で起こる全ての物事が見えているみたいだ。俯瞰でピッチを捉えているように思えるよ。どこにでもパスを通すし、自身で得点もできればアシストもできる。彼を中心にチームが出来上がるんだ。まるで魔法のようだよ」

高いキック精度と広い視野を武器に、幾度もチャンスを創出するツィエクを“左利きのデ・ブライネ”と表現したマクラーレン氏。現在のパフォーマンスを見るに、この表現も決して大袈裟ではないだろう。はたして、今季チェルシーに加わった技巧派レフティーは今後どれだけチェルシーで得点に絡んでくるか。荒削りなモロッコの宝石が、プレミアリーグの舞台で輝いている。

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