加入3年目でようやく本領発揮か アトレティコで燻っていた男の逆襲が始まる

アトレティコのレマル photo/Getty Images

バレンシア戦で存在感

ディエゴ・シメオネ監督の我慢が、今季アトレティコ・マドリードで結実しようとしている。これまで同クラブでなかなか活躍することができていなかったレフティーが、移籍3シーズン目にしてようやくその本領を発揮し始めた。

そのレフティーとは、MFトマ・レマルだ。2018夏の移籍市場にて、当時のクラブ史上最高額となる7000万ユーロ(約88億円)の移籍金でASモナコからやって来た同選手。しかし、その衝撃的な加入から2年間、この男には苦しい時間が続いていた。

時折見せるプレイからセンスの高さは感じられるのだが、どうにも結果を残せない。加入以降の2シーズンで、レマルにはそんな印象がついてしまったと言っていい。昨季は公式戦29試合に出場して、ゴールとアシストはどちらも“ゼロ”。今夏には他クラブへの売却も盛んに噂されたほどで、彼を取り巻く状況は日に日に厳しいものとなっていた。

しかし、ここにきてようやくレマルは真価を発揮し始めたのか。現地時間28日に行われたリーガ・エスパニョーラ第11節のバレンシア戦にて、先発出場した同選手は最高級の輝きを放っている。ゴールやアシストといった記録に残る活躍でこそなかったものの、このフランス人アタッカーは任された1.5列目の位置で躍動。4本の枠内シュートを放ち、パス成功率は86.0%を記録するなど、チームの攻撃にアクセントを加える存在となった。

このバレンシア戦にて、レマルがボールを持てばチャンスになる。そんな印象を受けた人も少なくはなかっただろう。65分でピッチを退くこととなったが、このレフティーの活躍をデータサイト『WhoScored』も高く評価。同サイトはアトレティコの攻撃を牽引したレマルにチーム最高となる評価点「7.5」を与え、この試合のマン・オブ・ザ・マッチに選出している。

「シメオネの我慢が実を結ぶ結果となった。まだチョロ(シメオネ監督の愛称)はレマルを信頼しているのかなんて声もあったが、指揮官は見事にこのフランス人FWをゲームの中で活かしてみせた。これまでアトレティコで思うような時間を過ごすことができていなかったレマルだが、彼はいよいよマドリードで幸せな時間を過ごすことになるかもしれない」

スペイン『AS』も、バレンシア戦におけるレマルのパフォーマンスをこのように評価。出場機会を与えられながらもなかなかシメオネ監督の期待に応えることができていなかったレフティーだが、今後はこれまでの鬱憤を晴らすような活躍を披露できるか。ついに本領発揮の予感がしてきたレマルのプレイからは、今後も目が離せない。

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