アーセナルの攻撃に足りぬ創造性 やはり“左足の魔術師”は必要だったのか

今季は各コンペティションで登録メンバー外となっているエジル photo/Getty Images

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悔やまれる“登録メンバー外”の選択

2020-21シーズン、深刻な得点力不足に悩むアーセナル。同クラブが今季ここまでプレミアリーグで記録しているチーム総得点数はいまだに「10」しかない。これはリーグ17位の成績で、彼らの攻撃力は例年に比べて明らかに落ち込んでいる。ここ数年、攻撃陣に関しては他のトップクラブにも劣らぬ破壊力を誇っていたガナーズだが、今季の彼らはその強みすらも失ってしまった。開幕前、ミケル・アルテタ監督が取り入れたシステマティックなサッカーにファンは相当な期待感を持っていたはずだが、結果はなかなかついてこない。

こうなってしまった最大の要因として、各方面から盛んに指摘されているのは攻撃時における創造性の欠如だ。アルテタ監督がいくら優れた戦術を授けようとも、ゴール前の局面において最終的にモノを言うのは個々の判断力。今のチームにおいて、その場面で変化をつけることが可能な選手といえばMFダニ・セバージョスぐらいか。彼を経由しない攻撃においてはFWまでボールが渡らぬケースも多々あり、アーセナルのシュート数は現時点でリーグ15位の95本にとどまっている。

しかし、アーセナルがそんな状況に陥ってしまったのは自業自得。そう主張するのは、クラブOBのポール・マーソン氏だ。同氏はMFメスト・エジルさえいればアーセナルはここまで苦しまなかったかもしれないとしながらも、その可能性をガナーズは自ら投げ捨てたと英『Sky Sports』へ次のように語る。
「パルティが加入したことで、エジルは輝くはずだった。新加入MFはピッチを縦横無尽に駆け回り、中盤を支配している。パルティというパートナーを得ることで、エジルはアーセナルでの苦しい状況を打破することができたはずだ。しかし、クラブは彼を登録メンバーから外した。今のアーセナルにはFWへパスを供給できる人材が明らかに少ない。ストライカーの動き出しに反応できるパサーがいないんだ。オバメヤンもそれを理解してきたのか、最近では前線におけるランニングの量が減ってきているね。エジルがいればと思う場面は少なくないよ。彼にボールを預けることさえできれば、アーセナルは今の状況を打開できるかもしれないとね。だが、彼らはその可能性を自ら放棄したんだ」

エジルを登録メンバー外とすることには、様々な事情が絡んでいたのかもしれない。しかし、ピッチ上での貢献度のみにフォーカスすれば、“左足の魔術師”をチームから外すことはアーセナルにとって悪手だったと言えるか。いまさら何を言っても遅いことは間違いないものの、「エジルがいれば……」と思っている人はマーソン氏以外にも少なくはないはずだ。

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