[MIXゾーン]齊藤未月の猛烈プレスで前半優勢も…… 大分戦で見えたベルマーレの課題

ルビン・カザンへの期限付き移籍が発表された齊藤未月(写真は12月6日のガンバ大阪戦) photo/Getty Images 

守備の綻びを突かれる

16日に行われた明治安田生命J1リーグ第33節で、大分トリニータと対戦した湘南ベルマーレ。24分にMF金子大毅がコーナーキックのこぼれ球から先制ゴールを挙げたものの、45分にトリニータのFW髙澤優也にコーナーキックからゴールを決められ、1-1のタイスコアで後半へ。53分にはDF岩田智輝からの浮き球パスに反応したFW伊佐耕平に逆転ゴールを奪われ、ベルマーレは1-2で敗れている。

前半、優勢に試合を進めていたのはベルマーレだった。この日も[3-1-4-2]という布陣でスタートした同クラブは、前線からの果敢なプレスで[3-4-2-1]という布陣を敷いたトリニータのビルドアップを妨害。守備面で特に重要な役割を担ったのが、今月14日にルビン・カザンへの期限付き移籍が発表されたばかりのMF齊藤未月だ。

右のインサイドハーフで先発した齊藤は、トリニータの3センターバックの一角である三竿雄斗にボールが渡るや否や猛然とプレス。自身の背後にポジションをとっていたトリニータのMF野村直輝(2シャドーの一角)へのパスコースを切りながら何度もプレスをかけたことで、三竿が容易に前線へ縦パスを送れない状況が続いていた。

齊藤を中心とするハイプレスが功を奏し、前半はトリニータにセットプレイ以外でチャンスを作らせていなかっただけに、ハーフタイム直前でのコーナーキックからの失点はベルマーレにとって悔やまれるものとなった。

また、53分には3センターバックの左で起用された田中聡と、真ん中を務めた石原広教との間にスペースができ、この空間をトリニータのFW伊佐に使われて失点。最終ラインがボールサイドに寄るのか、それとも中央に留まるのかの判断がはっきりせず、この守備隊形の乱れをトリニータ陣営に突かれる恰好となった。

ベルマーレの浮嶋敏監督は試合後に行われたオンライン会見で、自軍の守備について言及。齊藤を中心とするプレッシングが概ね機能していたことを明かしたうえで、2失点目の場面における反省点を挙げた。

「未月については野村選手と三竿選手のところをどうケアするかというところで、金子や舘(右センターバック)とうまく連携しながらやっていたと思います。2失点目のシーンは(守備隊形の)スライドが十分にできていなかったです。(田中聡と石原広教の)間に人を中途半端に置いてしまったことで、背後のボールへの対応ができずフリーにしてしまいました。もう少しボールサイドにスライドしなければいけなかったですし、(2失点目の場面の起点となったのは)相手のスローインだったので、スライドできたと思います」

直近のリーグ戦6試合勝ちなし(3分け3敗)、このうち無失点で終えたのが1試合のみと、守備に綻びが生じ始めているベルマーレ。今季のリーグ戦残り1試合、そして下位4クラブがJ2へ自動降格と、例年以上に過酷なレギュレーションが採用される来季のJ1リーグに向け、守備の連動性を高めていく必要があるだろう。

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