“ミニ・モドリッチ”が武者修行先で急成長中 2部で躍動するスパーズの逸材MF

今季トッテナムからノリッジにレンタル移籍しているスキップ photo/Getty Images

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首位快走するノリッジで欠かせぬ存在に

“世界で最も過酷な2部リーグ”。そんな呼び声も高いイングランドのEFLチャンピオンシップ。上位カテゴリに世界トップレベルの選手が集うプレミアリーグが存在していることもあって、同リーグが話題となることはそれほど多くない。しかし、チャンピオンシップでは欧州4大リーグで活躍していてもおかしくない逸材が数多くプレイしている。

今季もチェルシーで主力となっているMFメイソン・マウントやFWタミー・エイブラハム、アストン・ヴィラで変わらぬ存在感を示すMFジャック・グリーリッシュなど……。彼らも2018-19シーズンにはチャンピオンシップでプレイしていた選手だ。現在ドルトムントで17歳ながら出場機会を得ているMFジュード・ベリンガムも、昨季同リーグで揉まれた選手。このように、チャンピオンシップを経由して周囲の注目を集めるようになった選手も少なくはない。

そんなチャンピオンシップから、来季またもプレミアで素晴らしい活躍を披露する選手が出現するのか。現在トッテナムから武者修行に出ている20歳が、同リーグで印象的なパフォーマンスを披露している。その20歳とは、ノリッジ・シティでプレイするMFオリバー・スキップだ。かねてより各方面から注目を集めていたヤングタレントだが、その才能は本物と言えるか。同選手は開幕からノリッジパスワークの中心として中盤の底に君臨しており、ここまでリーグ戦全25試合に出場。今では首位を快走するノリッジに欠かせぬ存在となっている。

中盤の深い位置を任されながら、スキップは敵陣内でも積極的なプレイを披露する photo/Getty Images

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敵陣内でも変わらぬパス精度の高さ

なかでも注目したいのは、やはりそのパス性能だ。トッテナム時代から精度の高いキックを持っていることから、ファンの間では“ミニ・モドリッチ”と呼ばれることもあったスキップ。そんな彼は今季チャンピオンシップでリーグMF中トップとなるパス本数(1422本)を記録している。加えて、その成功率(88.26%)は今季チャンピオンシップで1000本以上のパスを記録している選手中トップだ。これを見ても、スキップがいかに同リーグの中でも傑出したパスセンスを備えているかが見て取れる。

そして、これは決して自陣での安全なパス回しのみで積み上げられた数字でないというのも驚きだ。同選手の敵陣内におけるパス成功数は、チームメイトのMFエミリアーノ・ブエンディア(651本)に次ぐリーグ2位(608本)。スキップは相手が密集しているエリアでも、きちんとその高いパス精度を維持している。これは注目すべきスタッツと言えるだろう。そのほかリーグMF中4位となるタックル数(51回)を記録するなど、守備面での貢献も光っている。

「スキッピーはその年齢からは考えられないほど、経験を積んだ選手のように見える。もう10年か15年ほどトップレベルでプレイしてきたプレイヤーかのようだ。チームがセンターハーフに求める全てのことを彼は完璧にこなしている。彼の仕事には感心しているよ。ポジショニングも常に正しいんだ。加えて、どんな状況でも冷静さを失わない。本当にうまくやっているよ」(英『Eastern Daily Press』より)

チームメイトのDFグラント・ハンリーも、素晴らしい活躍を披露するスキップへはこのように賛辞を送っている。今季チャンピオンシップで順風満帆な時間を過ごすトッテナムの逸材MF。はたして、この若者は武者修行先でどれほど逞しくなってスパーズへ帰ってくるのか。弱冠20歳のゲームメイカーが見せる成長からは、今後も目が離せない。

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