[週末の注目マッチ]冨安健洋はユヴェントス攻撃陣を止められるか セリエA首位ミランには不安材料が
イブラヒモビッチの2得点で、前節カリアリを退けたミラン。アタランタの攻撃をシャットアウトできるか photo/Getty Images
ミラン×アタランタ(セリエA第19節)
1月23日(土) 26:00 キックオフ
今季序盤よりセリエA首位の座を守っているミランは、第19節でアタランタと顔合わせ。今季の同リーグで全20クラブ中最多の無失点試合(7試合)を達成しているミランと、2番目に多いゴール数を叩き出しているアタランタ(41得点)による“矛と盾の対決”は見物だ。
ミランにとっての不安材料は、これまで何度も最終ラインからの鋭い出足でピンチの芽を摘み取り、主将としてもチームを牽引しているセンターバックのアレッシオ・ロマニョーリを出場停止で欠くこと。今季序盤に負傷のロマニョーリに代わって先発していたDFマッテオ・ガッビアも、現在左ひざの内側側副靭帯を痛めているため、アタランタ戦ではピエール・カルルがセンターバックとして先発することになるだろう。ロマニョーリと同様に肉弾戦に強い20歳のフランス人DFが、コロンビア代表のFWドゥバン・サパタやルイス・ムリエル、ウクライナ代表MFルスラン・マリノフスキーらをはじめとするアタランタの強力な攻撃陣をどこまで抑え込めるか。この点が試合の趨勢に影響しそうだ。
一方のアタランタは、直近のリーグ戦2試合連続で引き分けと足踏み中。前節のウディネーゼ戦では試合開始早々に持ち前のハイプレスやマンツーマンディフェンスをかい潜られ、先制点を奪われてしまった(最終スコアは1-1)。
ボールホルダーへの寄せが全体的に甘かったことがウディネーゼ戦の失点の原因だが、配球力やドリブル突破力が高いフランク・ケシエとサンドロ・トナーリが2ボランチを組んでいるミランを相手にプレスの手が緩めば、複数失点は避けられない。アタランタ陣営が最終ライン、中盤、最前線の3ラインをコンパクトに保ち、強度の高いプレッシングをかけ続けられるかも、この試合の注目ポイントだ。
今やボローニャにとって不可欠な存在となっている冨安 photo/Getty Images
ユヴェントス×ボローニャ(セリエA第19節)
1月24日(日) 20:30 キックオフ
今季もセンターバックと右サイドバックの両ポジションで高水準のプレイを披露し、今やボローニャの最終ラインに欠かせない存在となっている冨安健洋。24日の対戦相手は、セリエA9連覇中のユヴェントスだ。
今季のユヴェントスは最前線のクリスティアーノ・ロナウドが左サイドに流れ、カットインからのシュートを試みることが多い。冨安としてはセンターバックと右サイドバックのどちらで出場するにしても、この世界屈指のFWとマッチアップすることが多くなるだろう。
また、ロナウドがサイドに流れることによって生まれる中央のスペースにFWアルバロ・モラタ、[3-5-2]という布陣のインサイドMFウェストン・マッケニーやアーロン・ラムジーらが飛び込むという形も、今季のユヴェントスの攻撃パターン。冨安をはじめとするボローニャの最終ラインの面々が、神出鬼没なユヴェントスの2トップやMF陣を捕捉できるか否かが、勝敗の行方を左右しそうだ。
攻撃時は[3-5-2]、守備時は[4-4-2]という可変システムを採用しているユヴェントスとしては、敵陣の深い位置でボールを奪えなかった際の帰陣を素早く行いたいところ。黒星を喫した昨年12月のフィオレンティーナ戦(第14節/0-3)や今月17日のインテル戦(第18節/0-2)では、[4-4-2]の守備ブロックが整う前に相手のカウンターに晒される場面が度々見受けられた。
ムサ・バロウやリッカルド・オルソリーニといった韋駄天FWが揃うボローニャを相手に素早い帰陣を怠れば、またも相手のカウンターの餌食となるだろう。20日にイタリア・スーパー杯(ナポリ戦)をこなしたばかりのユヴェントスの面々が、週末のボローニャ戦でインテンシティの高いプレイを披露できるかに注目だ。
アストン・ヴィラ戦でアシストを記録した南野 photo/Getty Images
マンチェスター・ユナイテッド×リヴァプール(FA杯4回戦)
1月24日(日) 26:00 キックオフ
今月17日のプレミアリーグ第19節で死闘を演じた両チームが、FA杯4回戦で再び激突。マンチェスター・ユナイテッドは20日のフラム戦から中3日、リヴァプールは21日のバーンリー戦から中2日でこの試合を迎えるため、両チームとも大幅なメンバー変更がありそうだ。
今季のプレミアリーグで先発出場が2試合に留まっているリヴァプールのFW南野拓実としては、限られたプレイタイムのなかでも存在感を示したいところ。今月8日のアストン・ヴィラ戦(FA杯3回戦)で[4-3-3]という布陣の左ウイングFWで先発起用された同選手は、右ウイングFWのモハメド・サラーやセンターFWに入ったサディオ・マネと近い位置にポジションをとり、彼らとのパス交換からチャンスメイク。60分には右サイドに流れた南野がサラーからのパスを受け、ペナルティエリア内でボールを保持。この同選手のタメが、MFジョルジニオ・ワイナルドゥムのミドルシュートによる勝ち越しゴールに繋がった。
縦横無尽に敵陣バイタルエリアを駆け巡り、相手の守備ブロックを崩す役割をアストン・ヴィラ戦で果たせていた南野。21日のバーンリー戦では先発起用されなかったものの、直近のリーグ戦4試合連続ノーゴールと、チーム自体が深刻な得点力不足に陥っていることを踏まえると、マンU戦で南野にアピールの機会が与えられる可能性はあるだろう。この試合は南野にとって、チーム内における序列を高めるためのターニングポイントとなるかもしれない。